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ちょうど旬を迎え、そうめんなどの薬味にも大活躍の「紫蘇」。さわやかな風味が人気ですが、「大葉」という呼び名も馴染みがある人は多いのではないでしょうか。 ウェザーニュースでは、この香味野菜をなんと呼ぶかアンケート調査を行いました。 提供:ウェザーニュース 全体では「大葉」(54%)が「紫蘇」(42%)を上回る結果に。エリア別で見ても、全体的に僅差で「大葉」が優勢ですが、東北だけ「大葉」よりも「紫蘇」と呼ぶ割合が高くなっています。また、近畿では「大葉」の割合が他のエリアよりも高くなっていることが分かります。 「結論から言うと、『大葉』も『紫蘇(青紫蘇)』も、同じシソ科シソ属の植物を指します」と言うのは、歳時記×食文化研究所の北野智子さんです。では、なぜ呼び名が違うのでしょうか。 「大葉」は他の部位と区別するため? 「紫蘇」は大きく分けて「青紫蘇」と「赤紫蘇」の2種類がありますが、「大葉」と呼ぶのは「青紫蘇」です。ちなみに、「赤紫蘇」は梅干しを漬けるときの色付けなどに使われます。 「『紫蘇』の原産地は中国ともミャンマー、ヒマラヤとも言われています。正確な起源は分かりませんが、日本には5000年以上前に渡来したとも、縄文時代の遺跡から種が見つかっているとも、平安時代以前から栽培されていたとも言われています。日本の文献で最初に登場するのは、1407年(応永14)3月11日に記されている『紫蘇』とされています。 古くは『紫蘇』と呼ぶのが一般的でしたが、現在販売されているものは『大葉』と呼ばれることが多いようです。 なぜ『大葉』と呼ばれるようになったかというと、諸説ありますが、『紫蘇』は、葉、芽、実など、部位が細かく分かれており、単に『紫蘇』または『青紫蘇』では、どの部位を指すのか分かりにくいというのが、大きな理由だと思われます。そのため、食用の香味野菜として『紫蘇』の『葉』を販売する場合は『大葉』が使われることが多いようです。 アンケート結果(上記)では近畿が最も『大葉』と呼ぶ割合が高くなっていますが、これは大阪が明治時代、『割烹』という料理法・飲食スタイル(=後に広く日本料理となったもの)の発祥の地で、料理文化が花開いたことと関係していると思われます。 料理文化の発信地だった大阪で、料理屋が初めて刺身の下に敷く褄(ツマ、『芽物』ともいう)として『紫蘇』の『葉』を使うようになったのですが、上記のように、単に『紫蘇』ではどの部位を指すかわからないので、『葉』を区別するために『大葉』と呼ばれ、これが近畿全体からその周辺へと伝わったと考えられます」(北野さん) 食欲が落ちやすい夏にぴったり 香味野菜の代表ともいえる紫蘇の爽やかな香りは、主にぺリアルデヒドという芳香成分によるもので、強い防腐・殺菌作用を持つほか、食欲増進や健胃作用もあります。また、活性酸素を抑えて生活習慣病を予防し、皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがあるβカロテンが豊富に含まれ、100g中1万1000μg(マイクログラム)と、ニンジン(皮つき、6900μg)より多くなっています。さらにビタミンB群やビタミンE、Kなども野菜の中では特に多いようです。 夏は食欲不振になりやすいという人は、単に刺身のつまや薬味としてだけでなく、天ぷらやサラダなど積極的に取り入れて、夏バテしないようにしましょう。 ウェザーニュース
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更新:20210805 21:38:10
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