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現代ビジネス 8/8(日) 6:02配信 中国がコロナを制御できたのは、「健康コード」を使ったためだ。これはプライバシー保護の点で問題があり、日本では真似することができない。 しかし、ワクチンパスポートを国内で使えば、似た効果を期待することができる。ところが、日本では本人確認制度が不完全であるため、これを導入できない。 強力無比な中国の「健康コード」 公表されているデータを信じる限り、中国は世界でただ1国、コロナを完全にコントロールした。 なぜコントロールできたのか? コロナが発生した武漢を、即座に、そして完全にロックダウンしたからだ。 それだけではない。武漢以外でも感染発生は全くゼロではなかったのだから、それらをうまくコントロールしたのだ。では、なぜそれができたのか? それは「健康コード」のためだ。 これはスマートフォンのアプリで、新型コロナウイルスに感染している危険度がどの程度かを判定し、表示する。中国では、このアプリに緑(安全)のQRコードが表示されていなければ、公共交通機関は使えず、ビルや商店にも入れず、買い物や外食もできない。要するに、まともな生活ができない。 このような強力な仕組みが作られたために、中国はコロナの感染拡大を防げたのだ。日本の感染追跡アプリ「COCOA」が、不具合続きで結局のところ何の役にも立たなかったのとは、まったく対称的だ。 プライバシー無視のデータ利用 問題は、「健康コード」へのデータ入力がどのように行われているかだ。まず、どこかを訪れると、そこに掲示されている2次元バーコードをスキャンして、現在地を自己申告する。また、衛星測位システムによって行動経路が測定される。 政府や企業などが持っているさまざまな個人情報も利用されているようだ。政府はコロナ感染者のリストを持っており、それによってコロナ感染者に近づいたかどうかが分かる仕組みになっているのではないかとも想像される。それだけではない。住民の密告も取り入れているとの報道もある。 このように、個人の行動経路は、政府によって完全に把握されるわけだ。プライバシーなど、あったものではない。疫病という重大事に当たるには、プライバシーが制限されてもやむを得ないという考えは、当然あり得るだろう。 しかし、民主主義国家ではとても考えられない仕組みだ。このような仕組みが受け入れられていることが、中国でコロナをコントロールできた基本的な理由だと考えられる。 日本の場合に「COCOA」が機能しなかったのは、技術的に問題があったからだが、仮にそうした問題がなかったとしても、機能したとは思えない。「COCOA」の仕組みは、検査陽性者が自発的に登録することによって初めて機能するものだが、すべての陽性者が登録を行なってくれるかどうかは、大いに疑問があるからだ。 感染追跡アプリは、中国のような国家においてしか有効性を発揮できないのではないだろうか? ワクチンパスポートという考え 中国の「健康コード」のようなものは、日本では到底受け入れられない。しかし、それとは別の方法によってある種の健康証明を行ない、それを用いてコロナ感染防止と経済活動再開の両方を実現することは、考えられなくはない。 日本では、度重なる緊急事態宣言に人々が「慣れて」しまい、行動自粛を求めても、人々はそれに従おうとしない。それが感染爆発の原因になっている。飲食店等が営業時短に従えば、経営が立ち行かなくなる。その半面で、時短要請に従わない店が繁盛するといった事態が生じている。緊急事態宣言と営業時短要請では、効果がないことがはっきりしてきた。 このような状況を考えると、新しい仕組みを考えることは、現在の日本において是非とも必要ではないだろうか? では、民主主義国家においても導入可能な、健康状態の表示を行える仕組みはないだろうか? そうしたものは、ある。それはワクチンパスポート、つまり、ワクチンを接種した証明証だ。 この問題については、3月28日の本欄で論じた。それがヨーロッパではいま現実のものになりつつある。 EUでは、7月から、デジタル接種証明書の運用が始まった。これによって、入国する際の手続きを簡素化したり、隔離を免除するなどの措置を講じ、人々の国際間移動を促進しようとする。 日本でも海外渡航者のためのワクチンパスポートの発行がなされる。居住している自治体に申告して証明書をもらう(ただし、これは紙の証明書)。 国内ワクチンパスポートを活用できないだろうか? 先に述べたのは、国境を越える場合に用いる仕組みだ。これを、国内における活動に使う動きも広がっている。 イスラエルでは、今年の2月から「グリーンパス」というワクチンパスポートが発行され、これによって接種を証明できればレストランなどに入ることができるとされた。感染者減少で6月に廃止したが、感染再拡大で再導入する予定だ。 同様の制度が、イタリア、フランス、オーストリア、キプロス、デンマーク、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルクなどで、実施または計画されている。 ところが、日本政府は、国内で利用するワクチンパスポートを発行する予定はないとしている。しかし、感染がいまのような爆発状態になり、これを食い止める有効な手立てがない現状では、ワクチンパスポートの国内活用は、是非とも検討されるべき政策手段だろう。上述したイスラエルや欧州諸国の状況が、それを示している。 具体的には、ワクチン接種を国内ワクチンパスポートによって証明できる場合に限って、飲食店での飲食等を認める。あるいは、スポーツ観戦や観劇などを認めることとする。こうしたことを、少なくとも、検討の対象にはすべきだろう。 それにもかかわらず、日本政府が検討の対象にもしないのはなぜか? 何が制約になっているのだろうか? プライバシーの問題をどう考えるか ワクチンパスポートは、プライバシー保護の観点から望ましくないという意見がある。ここでいう「プライシー」とは、ワクチンを接種したかどうかということであって、中国「健康コード」で把握しているような個人の詳細な行動とは、次元が違う。それでも、問題だという意見は、当然ありうる。 実際、アメリカ連邦政府は、そのような立場からワクチンパスポートを発行しないし、求めないこととしている。国内はもちろん、国際的な場面においてもそうだ。 ただし、アメリカにおいてもワクチンの接種は社会全体の立場から望ましいものであると考えられており、接種を促進するための様々な措置が取られている。 ニューヨーク州は独自のパスポート「エクセルシオールパス」を3月下旬に発行しており、音楽やスポーツイベントの入場に使われた。 日本で国内ワクチンパスポートは発行できない 日本では、上記のようなプライバシー問題についての合意が成立したとしても、技術的に国内ワクチンパスポートを発行できるかどうかについて、大きな疑問がある。 海外旅行のためのワクチンパスポートは、旅券とともに申請するようになっている。したがってそのワクチンパスポートを持つ人は、旅券を提示することによって、接種証明書が確かに本人のものであることを証明できる。 では、これと同じことを、国内においてできるだろうか? ワクチンを接種したときに用いた接種券を見せれば、それで良いと考えれられるかもしれない。しかし、そういうわけにはいかない。 なぜなら、接種券に書かれている人間とその証明書を見せている人間が同一人物であるという証明を、できない場合があるからだ。運転免許証や旅券、またはマイナンバーカードには、写真付きで住所氏名が記されているから、それを接種済み証と共に見せれば、本人証明ができる。 しかし、これらを持っていない人は、その接種済み証が自分のものであることを、第三者に対して証明できない。健康保険証はすべての国民が持っているが、ここには写真がないので、本人のものかどうか証明ができない。ワクチン接種の際に健康保険証によって本人確認をした場合に、接種済み証にその番号が記載されていれば証明ができるが、そのようなことは行なっていない。 実は、この問題は、接種の際にもあったことだ。接種券に記載されている住所氏名と同じ住所氏名が記載してある健康保険証を持っていけば、記載してある年齢と見かけが大きく離れていない限りは、本人であると認められ、本人でなくても接種を受けられたはずだ。 日本における本人確認とは、この程度のものなのだ。 日本政府が国内のワクチンパスポートを発行する予定はないとしているのは、プライバシー保護というような根源的理由のためではなく、単に技術的に発行できないという理由によるのではないだろうか? 仮にすべての国民がマイナンバーカードを持ち、ワクチン接種における本人確認をこれによって行なったとしたら、ワクチンパスポートは簡単に作れるはずだ。その場合は、接種券にマイナンバーが記載されているから、それとマイナンバーカードを見せれば簡単に本人証明ができる。また、デジタル証明書も簡単に構築できる。 日本におけるデジタル化の遅れが、ここでもコロナに対する戦力を削ぐ結果となっている。 野口 悠紀雄(一橋大学名誉教授)
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