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【ニューヨークからお届けします】 3/10(木) 9:06配信 日刊ゲンダイDIGITAL CDC(米疾病対策センター)が2月下旬にマスク着用に関するガイドラインを変更したことで、感染率が高い一部地域以外のアメリカ人(全人口の約7割)がマスクを着用しなくていいことになりました。ところが、若者を中心にマスクを外すことへの戸惑いと、同時に新たなトレンドも生まれています。 アメリカのマスク着用規定は最終的には地方政府が決定。CDCガイドラインが変更になった直後から全米各地でマスク義務付けが次々に解除されています。 私たちニューヨーク市民は市の規則に従うことになりますが、公共交通機関や病院などでは引き続き着用義務がある一方で、お店などではオーナーのポリシーに従えばよくなり、マスクを外す人は日に日に増えています。 そして、最後まで義務付けが続いた公立学校での解除も時間の問題とみられています。日本人のように風邪や花粉症でマスクを着ける習慣がまったくなかったアメリカ人ですが、2年着け続けたことですっかり自分の顔の一部のようになり、今さら外すことに抵抗を感じる若者も少なくありません。入学して以来、クラスメート同士でマスクを外した顔をほとんど見たことがない中学生の中には、特にニキビ、歯科矯正ブリッジ、生え始めたヒゲなどに悩みを持つ者が多く、マスクを外しての通学に不安を感じている人も多いようです。 もうひとつ、マスクから生まれたトレンドが「マスクフィッシング」です。「マスクで釣る」という意味で、デートアプリやSNSでわざとマスクをした写真を投稿するケースが大流行。マスクをしていた方が女性も男性も魅力的に見えて、異性を「フィッシング」できるという共通認識があるからです。 実はこれは科学的に説明できて、人は他人の顔のマスクで隠れている部分を想像する時に、ベストの顔を想像するという脳の働きがあるそうです。なので、マスクの写真しか見ていない相手と実際に会ってびっくり。そういう時に「マスクフィッシュされた、だまされた」となるわけです。 まだ感染が深刻な地域から見ると少し不謹慎に感じるかもしれませんが、2年間コロナの恐怖や不便に耐えた後のちょっとした息抜きなのかもしれません。 (シェリーめぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)
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