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「156万円爆下げのテスラ」は、買いか?

2021年04月20日

世界で一番売れているEV「モデル3」を日本市場でのみ価格破壊

世界で一番売れているEV「モデル3」を日本市場でのみ価格破壊!「156万円爆下げのテスラ」は、買いか?


2月に米テスラが日本での販売価格を大幅に引き下げた。なぜ値下げできたのか? イーロン・マスクの狙いはどこにあるのか? テスラを創業時から追っている自動車ジャーナリストの小沢コージが解説する!

【写真】テスラ「モデル3」のディテール

■値下げモデルは中国工場製
――テスラのモデル3は2019年の発売以来、世界で一番売れているEVですけど、今年2月から日本で最大156万円の値下げを断行し、話題を呼んでいます。

小沢 いよいよテスラが日本マーケット攻略に本腰を入れ始めたよね。現在、テスラの時価総額はトヨタを超えて世界トップ。販売台数はトヨタの20分の1なのに、時価総額は約3倍だからね。

さらに言うと、昨年のテスラ株は7倍も爆上げ! つまり、会社の規模としてはトヨタのほうがデカいけど、世界的なEVシフトを踏まえて、市場のテスラへの期待が膨らんでいる証拠よ。ある意味、テスラのCEOであるイーロン・マスクの予告どおりの展開だよね。


――具体的には?

小沢 マスクは昨年9月のバッテリーデー(電池の日)というイベントで、「バッテリーを自社開発して航続距離を最大54%向上、単価を56%下げる」とブチ上げている。しかも、2030年までに年販2000万台メーカーになるという計画も発表した。


――年販2000万台メーカーって現在のトヨタやVW(フォルクスワーゲン)グループの倍の数字ですよ。ガチで実現できます?

小沢 マスクは常にデカい話をブチ上げる人間だからアレだけど、正直、現在のテスラの勢いが尋常でないのも確かなんだよね。昨年のテスラはEVを世界で約50万台売り、前年比36%増の大躍進となった。

ピュアEVのID.3をデビューさせたVWでさえ、昨年売ったEVは22万台だし、それにポルシェの年間販売数は27万台だから、それを軽く凌駕(りょうが)しているんだよ。

――テスラのEVはどれも500万円以上だったってことを考えれば50万台ってマジでハンパないスね。

小沢 この前、ジャガーは2025年から、ボルボは2030年から「EV専業メーカーになる」と宣言したけど、テスラの躍進を踏まえての計画発表だと思う。ボルボは年間60万台、ジャガーはたった10万台規模の自動車メーカーなので、5年後、10年後にEV専業メーカーになるという宣言は決して荒唐無稽(こうとうむけい)な絵空事ではない。これから1000万円前後の高級車は、ほとんどがピュアEVになる可能性は高いと思う。


――なるほど。テスラが年販2000万台メーカーになるべく打ってくる手は?

小沢 自動車は1年間に世界で約9000万台を売る市場なんだが、正直、売れ筋のクルマというのは手頃な価格の大衆車なんだよね。


――ということは、テスラが本気で年販2000万台を狙うなら、最大市場である大衆ゾーンの取り込みが課題?

小沢 そう! そこが今回最大のキモよ。モデル3で掟(おきて)破りの価格破壊を敢行したことで、テスラは大衆車ゾーンに片足を突っ込んできたわけ。今まで500万円以上だったモデル3の廉価版だと82万円引きの429万円に。しかも、補助金を差し引いたら300万円台で買えるわけだから。


――でも、なぜこれほど大幅な値下げを実現できたの?

小沢 今回の値下げの理由は単純明快で、テスラの上海ファクトリーが本格的に立ち上がり、原価が一気に安くなったから。


――ほおほお。

小沢 日本で発売するモデル3は、中国産になったことで人件費や輸送コストが下がり、大幅な値下げを実現できたわけ。ただ、値下げの最大の理由は電池だけどね。


――モデル3に搭載する電池の価格が安くなったわけ?

小沢 うん。実はこれまでモデル3は、パナソニック製の電池を使用していた。けど、今回の値下げから中国のCATLや韓国のLG化学製に電池が変更された。実はこれらの電池の原価が超安いらしい。


――どうして中国産の電池は安いんスか?

小沢 中国は国を挙げて電池産業に多額の補助金を出しているからガチで安い。いずれにしても、テスラは世界3位の自動車市場である日本で、一気にシェア拡大を狙っているんだと思う。だから、あらゆる手を使って大幅な値下げを達成してきたわけ。


――そんなモデル3って、どんなEVなんスか?

小沢 最速モデルは時速100キロ到達は3.3秒で、最高速は261キロと、ポルシェ911並みに速い。オマケにエンジンがないから、室内は広めで前後トランクもデカい。さらに15インチの大モニターの存在感がスゴい。エアコン、ナビ、オーディオ操作はほぼタッチ操作で、カードキーでドアを開けたら、イグニッション操作すら不要だからね。


――それにしても、突如156万円も値下げしたら、値下げ前に購入したお客は怒りませんかね?

小沢 納車待ちの客はもちろん値下げして、直前に購入した客にも返金したとかで、問題は起きてないみたいよ。

――ズバリ、値下げしたモデル3は買い?

小沢 4月から本格化する日本のEV補助金体制を含めて考えると......買いは買い。


――微妙に歯切れ悪いスね。

小沢 テスラを購入する場合、怖さもあるんだよ。日本の直営は4店舗のみだし、基本的にどの店舗も修理はモバイルサービスか、認定ショップで行なうから、既存の自動車販売店のようなサービスは望めない。まぁ、クルマを買うというか、走るスマホを購入すると思ったほうがいい。

――最後に、今後のEV戦線をどう予想します?

小沢 ガチでテスラの大衆車ゾーンへの進出が本格化し、GM(ゼネラルモーターズ)が35年までに本当に全車ピュアEV化し、フォードもそれに続くとなると、困るのは日本のEVだよ。 日本は電池産業を中国ほど優遇していないし、生産に必要なリチウムやレアアースを中国並みに確保できていない。現状、電池の生産量、価格競争で日本は世界に負けているからね。


――日本メーカーは大丈夫なんスよね?

小沢 課題もあるが、このまま一気にEVが大衆車化したら、日本惨敗のシナリオは全然ありえるよ。マジな話、EVというのは欧米や中国と次世代の自動車産業の覇権を争う大バトルだからね。資源のない日本が自動車という競争力を失うのは致命的だし、ぶっちゃけ、民間の力だけではもうどうにもならんよ。「菅総理サマ、もっと頑張ってください!」と言いたいね。


●小沢コージ(Koji OZAWA)自動車ジャーナリスト。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ』(毎週土曜17時50分~)。YouTubeチャンネル『KozziTV』。著書に共著『最高の顧客が集まるブランド戦略』(幻冬舎)など。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員




引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/1b33082c1c5eea04597159078a7f0dfb637ede18)


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