ようこそ! ビジター様(ビジター)   ログイン
友達&メッセージを見る
メッセージ&会員一覧
オーナーの掲示板
近況報告
ホーム
ホーム

談話室

お知らせ

トピックスのスライドショー毎日1枚、その日のトピックス写真を表示します。

トップページへ戻る

(2021年07月22日)前日    (2021年07月23日)    翌日(2021年07月25日)

新型コロナ「ワクチン接種後」は?

2021年07月23日

新型コロナ「ワクチン接種後」の感染対策は? 専門医に聞く

新型コロナワクチンの接種が日本でも本格化。それに伴い、「高齢の両親は接種したけれど、いつから孫と会わせられる?」「変異ウイルスにワクチンは効く?」「子どもも打っていい?」「副反応への備え方は?」など、新たに気になる疑問が生まれています。ウイルス学や免疫学に詳しい病理専門医の峰宗太郎さんに、ズバリ答えてもらいます。

【関連画像】医師(病理専門医)の峰宗太郎さんは米国在住のため、取材はリモートで実施

 日本でも一気に加速してきた新型コロナウイルスのワクチン接種。既に高齢者の過半数が1回目の接種を終えたというデータもあり、家族の中で高齢の両親だけが接種を受けたパターンが多いのでは。1年以上のコロナ禍で疲れがたまるなか、「そろそろ、孫を預けてもいい?」と心が動いた子育て夫婦もいるかもしれない。

 とはいえ、家族にも職場にも未接種者が多数いて、日本国内の感染拡大が止まったわけではない。特に、変異ウイルスが日本でも爆発的に増えるのでは、という報道に不安を感じる人も多いだろう。

 今回は、ウイルス学の専門家でもある医師の峰宗太郎さんに、いま気になるワクチンの疑問や、必要な感染対策について詳しく話を聞いた。自身のワクチン接種も近づいてきたこの時期に、最後の最後に感染してしまうことがないよう、正しい知識をおさらいしておこう。(聞き手は臼田正彦=日経xwoman)

本記事で聞いた主なギモン

Q. ワクチンはいつから、どれくらい効く?

Q. ワクチンの効果はいつまで続く?

Q. 両親の接種後は孫を会わせていい?

Q. ワクチンを打てば、コロナ禍は終わる? 海外旅行は?

Q. 変異ウイルスはどれくらい恐ろしいもの?

Q. 子育て中は避けたい副反応、どう対策する?

Q. 「ワクチン拒否派」の家族とどう向き合う?
Q. ワクチンはいつから、どれくらい効く?

―― まず基本的なおさらいとして、ワクチンの効果というのはどのように現れるのかを教えてください。

峰宗太郎さん(以下、峰) 日本人が打っている、または打つことになるワクチンは、ファイザー・ビオンテック社製とモデルナ社製(国内供給は武田薬品工業)のどちらか。この2つはmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンと呼ばれるタイプのワクチンで、現時点で世界で実用化されている中では最も効果が高いことが確認されています。どちらのワクチンも2回接種が原則で、ファイザーは3週間、モデルナは4週間の間隔で接種します。

峰 まず1回目を打ってから、1週間~10日くらいの間に、体内に「抗体」ができ始めます。この抗体が十分な量になれば感染を予防できると考えていいのですが、1回の接種ではまだ十分量に達しません。2回打つと、さらに抗体量が増え、2回接種の10日後から14日後くらいに、最も抗体が多い状態になります。

 これによりどのくらい効果があるかですが、まず1回目の接種から10日間程度は、効果はほぼゼロと考えてください。まだ抗体ができ始めていません。

 1回目から10日くらいたった時点で、新型コロナウイルスによる「発症」を50%くらい抑える効果が確認されています。ただし、感染自体を予防する効果は十分には確認できていません。重症化を抑える効果はある程度あると推測されますが、データが少ないため、何%くらいとは言えません。

 2回目接種後、7日後から10日後くらいで抗体がもう一段階増えます。こうなると、感染自体を90%以上、発症を95%以上、重症化予防を90%以上抑える効果が確認されています。

 とにかく重要なのは、2回接種から2週間程度たって初めて十分な効果を発揮するワクチンであるということ。そして、その状態になったとしても、予防効果は「100%ではない」という点です。ただし、2回接種したのに感染してしまう人はいますが、その場合も発症リスク、重症化リスクは低い。また、その人は比較的、他人に感染させるリスクが低いだろうということが分かっています。その人が排出するウイルスの量が40%程度まで減り、ウイルスを放出する期間も6日短縮されます。

―― 2回接種でも100%でないというのは、どういった場合に感染するのでしょうか?

峰 いくつか理由が考えられます。1つは、接種者の1%未満と思われますが、抗体ができにくい体質の人もいること。

 2つ目は、抗体が十分あっても、それを上回る大量のウイルスにさらされれば、抗体が負ける可能性もあるということです。あくまで、感染するかどうかは、ウイルスと抗体とのせめぎ合いで決まるので。感染者と長時間、マスクなしで会話を続けたり、いくつもの飲み会に参加を繰り返したりと、リスクの高い行動をとり続ければあり得ます。

 また、現在増えている変異ウイルスの場合、従来株と比べてやや免疫を回避する力が高くなります。特に1回接種での感染予防効果は、従来株と比べて大きく下がると言われています。

 英国はできるだけ多くの人が1回目の接種をすることを優先し、2回目の接種を遅らせる方針を採りましたが、結果として1回目の接種者が60%を超えているのに、「デルタ」と呼ばれる変異ウイルスの感染が増えています(※1)。2回接種すれば、デルタに対しても90%程度の高い感染予防効果が見込めることが分かっています。

※1 デルタはインドで最初に発見された変異ウイルスで、日本でもこれから感染が広がる可能性があるとみられている。なお英国は、mRNAワクチンよりやや効果の低い、アストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンを打った人も多いので、その影響も考えられる。

Q. ワクチンはいつから、どれくらい効く?

A. 1回接種から10日は効果ゼロ。2回接種から2週間後は90%以上の予防効果が見込めます。




Q. ワクチンの効果はいつまで続く?

―― 高齢者は、あまり抗体ができないという話を聞いたことがあるのですが……。

峰 確かに若い人と比べ、高齢者にできる抗体の量は少ない傾向があります。しかしそれでも、感染予防には十分な量なので、あまり気にする必要はありません。他にも、女性より男性のほうが抗体が少ない、飲酒量が多い人は抗体が少ないといった傾向もありますが、同じです。99%以上の人に、感染予防に十分な量の抗体ができることが分かっています。

 抗体量は、2回接種後10日から14日くらいがピークで、そこからは緩やかに減り始めます。ワクチンの効果がどれだけ持続するかはまだ研究の途上ですが、現時点で接種から8カ月後までは十分な抗体量が維持されることが確認され、8カ月時点までの減少ペースから推測して、1年以上は大丈夫だろうと考えられています。それ以降、いつまで感染予防効果が維持されるかは、まだ全く分かりません。1年後以降に、再びワクチン接種が必要になる可能性はあります。


Q. ワクチンの効果はいつまで続く?

A. 1年以上は大丈夫だろうと考えられています。

●Q. 両親の接種後は孫を会わせていい?

―― 日本では現在、高齢者を中心に接種が進んでいる段階。高齢の両親だけが接種済みで、自分はまだ、といった家庭が増えています。12歳未満の子どもへのワクチン接種はまだ始まらない。その状態で、「ワクチンを打ち終わった両親に会いに行ったり、子どもを預けたりしてもいいのだろうか?」という疑問があります。

峰 残念ながら、ご両親が2回接種を終えたとしても、感染予防効果は100%ではありません。なので、まだ流行が収まらないうちに未接種者が会いに行けば、ウイルスを持ち込み、感染が成立してしまうリスクは完全には否定できない。

 米国の感染対策を率いる米疾病対策予防センター(CDC)が出している行動指針を見ると、その場の全員がワクチンの2回接種を終えた状態でなければ、マスクなしで会うべきではないとしています。日本の感染者数はもともと米国より少ないのですが、それでもワクチンの未接種者を含むメンバーで気軽に集まっていいよと言える時期ではありません。

 もちろん、全員が2回接種から2週間たったメンバーなら、症状のある人がいなければ、特に感染対策をせずに飲み会をやってもリスクはかなり低く、問題ないというレベルになるでしょう。

―― しかし、問題は小さな子どもです。現役世代の接種が進んでも、小学生以下の子どもは当面ワクチンを打てません。だとすれば、祖父母が孫に会えるのはいつになるのか……。

峰 理想は「子どもも接種を終えてから」です。もうすぐ、米国では6歳以上12歳未満の子どもを対象とした臨床試験結果が出て、接種が始まる見込みなので、日本の子どももやがて接種できる時期が来ると思います。臨床試験は6カ月以上の乳幼児に対しても始まっているので、やがてはかなり幼い頃から、予防接種を受けられるようになるかもしれません。

 しかし、それまで待てないというなら、せめて「その場に集まる大人、子どもと同居する大人」の全員がワクチンを打ち、なおかつ子どもにも発熱などの症状がない状態であれば、比較的リスクは低いかと思います。統計的に見て子どもの感染は、子ども同士というより同居する大人からもらうケースが多い。周囲の大人が守られた状態なら、子どもの感染リスクは減り、祖父母に感染させるリスクも少ないでしょう。


Q. 両親の接種後は孫を会わせていい?

A. 理想は「子どもも接種を終えてから」です。それが無理なら、せめて「周囲の大人が全員接種を終えた」状態で。




Q. ワクチンを打てば、コロナ禍は終わる? 海外旅行は?

―― いつになれば、「コロナの心配がない社会」に戻れるでしょうか?

峰 一人ひとりの感染予防効果が100%でなくても、接種者が社会の大半を占めるようになれば、ウイルス自体を社会から排除していけ、ワクチンを接種できない人も守ることができます。これをワクチンの間接効果と呼び、その1つが「集団免疫」と呼ばれる状態です。

 日本は、世界で最も効果が高いmRNAワクチンだけで、ほぼ全人口をカバーする量のワクチンを確保しています。実はこれができているのは、世界でもイスラエルと日本だけ。大人の大半がmRNAワクチンを接種したイスラエルでは、ほとんど感染者が出なくなり、マスクを含めたあらゆる行動規制が解除されました(※2)。密を気にする必要もなくなっています。日本もみんながきちんとワクチンを打てば、同じ状況に至れるはずです。

※2 イスラエルでは最近、デルタの流行が確認されているが、感染者は主にまだワクチンを打っていない10代が中心とみられている

峰 それ以外の国は、やや有効率の低い他方式のワクチンも交えていることが多いので、イスラエルと同じ集団免疫に至れるかどうかはまだ分かりません。自分がワクチン接種を終えたとしても、有効率は100%ではないので、不要不急の海外旅行は控えたほうがいい状況が当面続くかもしれません。米国はmRNAワクチンの比率が大きく、しっかりと1人に2回接種をする方針で進めているので、比較的早く「旅行をしても安全な国」になれると思います。



Q. ワクチンを打てば、コロナ禍は終わる? 海外旅行は?

A. 集団免疫に至れば「旅行をしても安全な国」となる。しかし当面は、不要不急の海外旅行は控えたほうがいい状況が続くかもしれません。

●Q. 変異ウイルスはどれくらい恐ろしいもの?

―― 日本人全員がワクチンを打てるまではまだ時間がかかりますが、そんな中、変異ウイルスが増えているというニュースが不安です。今増加中のデルタは、実際にどれくらい危険度が増しているんでしょうか?

峰 まず、デルタの感染力は、現在まで主流だったアルファ(英国で発見された変異ウイルス)と比べて高いという報告は一部あるのですが、決定的に差があるというコンセンサスまではまだありません。大げさに危険性をあおる報道がありますが、裏付けができるまではあまり気にしなくていいと思います。

 何より、デルタの感染力が高まっていようと、個人がすべき感染対策は何も変わりません。麻疹のように10m以上も飛沫が飛んでいき、電車の車両に1人感染者がいただけで全員が感染し得るような、そんな状況になっていることは考えにくい。密を避ける、同居家族以外とマスクなしで話すことを避けるといった、従来通りの対策をしっかりと続けてさえいれば、おおむね感染は防げます。

 なお、新型コロナウイルス全般で、感染経路の大半は飛沫感染、つまりは対面で話している相手の飛沫を吸い込むことによる感染です。物に付着した飛沫を手で触ってしまうことによる「接触感染」は、全体の10%未満だと言われており、主要な感染ルートではない。手洗いや消毒は大切ですが、それだけやっていてはダメ。あくまで密を避ける、会食を控える、会話時はマスクをするといった飛沫対策が必要です。

 夏になるとマスクをするのがつらくなるでしょうが、可能な限り続けるべきです。水分を小まめに取る、直射日光の下に長くいないなど、普通の熱中症対策を取っていれば、マスク自体が熱中症のリスクを上げることはありません。

Q. 変異ウイルスはどれくらい恐ろしいもの?

A. 従来通りの対策(密を避ける、会食を控える、会話時はマスクをするといった飛沫対策)をしっかりと続けてさえいれば、おおむね感染は防げます。



Q. 子育て中は避けたい副反応、どう対策する?

―― 私たちがワクチンを接種するときに気になるのが副反応です。発熱や痛み、倦怠感などは、高齢者よりも現役世代のほうが強く出ると言われているのが不安です。特に子育て中の場合、必要な副反応とはいえ、親が動けなくなるのはかなり痛手で……。

峰 まず、接種後しばらくしてから出てくる、痛みや発熱などの副反応の発生頻度は、おおむね50%程度とされています。若い人でも必ず副反応に苦しむわけではありません。

 とはいえ、接種から数日間は、あまり家事をしなくてもいい準備を事前にしておいたほうがいいと思います。調理せずに食べられるものを多めに買い置きしたり、事前に家事を済ませたりしておくなど。また可能であれば、接種する日を夫婦でずらしたほうが無難かもしれません。副反応が出た状態で必ず子どものお迎えに行かなくてはならないとなると、つらいでしょうから。なお、2回目の接種時のほうが、副反応は強く出やすいと言われています。

 なお、こういった副反応が起きないようにするコツなどは特にありません。お酒を控えるべきとか、多めに水を飲めばいいなどといった噂が出回っていますが、それらには全く根拠はないです。

 頭痛や発熱がある場合は、飲み慣れている解熱鎮痛薬を飲んでください。これについても「アセトアミノフェン以外はダメ」といった言説が出回りましたが、ロキソニンでもイブプロフェンでもボルタレンでも、いつも飲んでいるもので大丈夫です。飲み慣れた薬がない場合は、「タイレノール」などの名前で販売されているアセトアミノフェンが比較的、副作用が出にくいとされています。

 また、接種後15~30分程度は、「アナフィラキシー」と呼ばれる強いアレルギー反応が出る可能性があるため、そのまま接種会場で待機して様子を見ることになっています。じんましんなどの皮膚症状に加えて、息苦しさや胸の痛み、腹痛、意識の消失といったパターンがあります

 このアナフィラキシー、ごくまれにではありますが、帰宅後に時間がたってから起きることもあります。なので上のような症状になったら、救急車を呼んで構いません。明確な基準はありませんが、「普段こうなったら救急車を呼ぶような症状」になったら、ためらう必要はないです。



Q. 子育て中は避けたい副反応、どう対策する?

A. 副反応の発生頻度は、おおむね50%程度。接種する日を夫婦でずらしたほうが無難かもしれません。

●Q. 「ワクチン拒否派」の家族とどう向き合う?

―― 今、一部で問題になっているのが、「ワクチンを絶対に打ちたくない」人たちです。もちろん持病や体質などで打てない事情がある人もいますが、単に不安だったり、ワクチンが有害だったりと信じている人たちも。特に家族にそういった人がいる場合、いつまでたっても安心できないことになってしまいます。

峰 非常に厄介な問題です(苦笑)。陰謀論でしかない言説も含めて、ワクチン接種が怖くなってしまうような情報が飛び交っていますから、日本でも米国でもそういった人は多くいます。

 単に不安な人に対しては、かかりつけ医にアドバイスしてもらったり、厚生労働省などの公的機関が発信する情報を教えてあげたりするのがいいと思います。mRNAワクチンでも、若い人が心筋炎になり得るという報告がありますが、1000万人に1人程度ではないかといったごくまれな症状ですし、ほぼすべての方が回復しています。ワクチン接種直後に死亡したなどと報じるニュースはありますが、日本ではワクチンを打たなくても毎日3000人以上が亡くなっており、ワクチンで死亡率が上がったというデータは全くありません。厚生労働省はそういった正しい情報をしっかり発信しています。

 しかしさらに進み、陰謀論を信じてしまった人に対しては、対処法は正直……ないですね。新興宗教などにどっぷりはまった人と同じで、強固な信念ははがせない。個人は個人として尊重して、自分は距離を置くといったことしかできないでしょう。親がワクチン拒否派になり、子どもが接種する権利が侵害されるといった状況もあるので、正直頭が痛いですが、私には解決策が思いつきません。



Q. 「ワクチン拒否派」の家族とどう向き合う?

A. ワクチンで死亡率が上がったというデータは全くありません。とはいえ、個人は個人として尊重して、自分は距離を置くといったことしかできないでしょう。

取材・文/臼田正彦(日経xwoman) イメージ写真/PIXTA




引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/02615100b07822ea99473e0fa25b228b1b12c6bd?page=3)


トップページへ戻る

All rights reserved to Smatu-net Co., Ltd, powered by Alumnis(Smatu-net) ©2017