2019年11月26日
小豆の価格高騰…たい焼きに名古屋のグルメもピンチ!
小豆の価格高騰…たい焼きに名古屋のグルメもピンチ! 原因は3年前の台風被害
報道局
愛知特集 2019/11/20 14:00
冬に食べたいホッカホカのスイーツ「たい焼き」。実は値上げしていたようで、名古屋グルメが続々と値上げとなっているそうです。
背景には3年前の台風被害がありました。
名古屋市中区の大須商店街にある「澤屋」。店の中で店員が手際よく作っているのは、「たい焼き」です。
アツアツの型に生地と小豆をたっぷり使った甘いあんこがぎっしりと入ったたい焼きが次々とできあがります。寒くなるこの季節、食べたくなる人も多いのではないでしょうか。
こちらの店で使われているのは、北海道十勝産の小豆。
しかし、ある問題に頭を悩ませているといいます。
「昨年あたりから4年前の最安値のころに比べ、ほぼ倍の仕入れ値になりまして。お客さまには少しだけご負担いただく形でプラス10円に変更させていただきました」(澤屋 飯田崇比古社長)
これまで1つ160円だったたい焼きを、10月に170円に値上げしたといいます(税抜き)。
「カナダ産のものであったり、等級を下げたりということを会社としては一瞬考えたんですが、今までの味は維持していきたいと思った」(飯田社長)
生産量で全国の9割を占める北海道ではいま、何が起きているのでしょうか?
北海道十勝の音更町では10月に入り、小豆の収穫が最盛期を迎えていました。
「なんとか質のいいものがとれたと思う。やっぱり“安心”ですね、このどっさり感を見ると」(小豆農家 五十川賢治さん)
“安心”と話すのは小豆農家の五十川さん。
実はここ数年、十勝の農家は小豆の不作に苦しんでいたのです。
2016年、3つの台風が上陸するなど、台風が相次いで上陸した北海道。河川の氾濫など、甚大な被害が出ました。
さらに2018年も長雨などの影響を受けた結果…。
北海道産の小豆の生産量は、5年間で半分ほどにまで減少。
価格の高騰も続き、今年2019年は60キロあたり2万5500円と、4年前の約2倍、過去15年で最高値を記録しました。
さらに、価格の安い海外産小豆におされ、作付面積もこの5年間で約3割減ったといいます。
「天候不順とか労働力不足とか、価格の問題とかいろいろありますが、できる限り安定供給を目指したいのが十勝の農家の思い」(五十川さん)
今年は小豆の質もよく、平年以上の豊作だといいますが、北海道の小豆農家は価格の高騰など逆境にあえいでいます。
小豆の高騰による対応に追われた店がありました。名古屋市西区にある喫茶店「喫茶ニューポピー」です。
この喫茶店は2019年1月、名古屋市中区から移転してリニューアルしました。
1年前の2018年、私たち取材班が取材した時には。
「(小豆を)業務用のものから手作りのものに変更していこうかなとは予定しています」(BEANS BITOU 尾藤雅士社長)
オーナーはこう話し、メニューの価格は据え置くとしていました。しかし…。
「前のお店の価格から、100円ほど上げました」(尾藤社長)
モーニングで多くの人が注文するという小倉トッピングは、今年に入って約100円値上げ。
アツアツの鉄板で温めて食べる「鉄板小倉トースト」も、従来の価格から約100円値上げすることになったのです。
一方、値上げについて、客側はさほど悲観的ではないようで…。
「(メニューから小倉が)なくなっちゃったら困るので、(値上げは)しょうがないと思います」(小倉トーストを注文した人)
「県外から来た人は100円アップでも食べたいと思う」(宮城県から来た人)
小豆のニーズがますます高まるこの季節。私たちの生活にどんな影響を与えるのでしょうか。
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