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高級スーパー「ウェイトローズ」の店舗には良質で新鮮な食料品が

2020年02月05日

貧しい人ほど「割増金」を払い、中・上流は「無料特典」を享受

Newsweek日本語版 コリン・ジョイス Edge of Europe


<イギリスの富裕層は貧困層より10年長生きして、年金を長く受け取り医療保険を長く利用する>

ロンドンへ向かう電車の中で僕は、「poverty premium(貧困割増金)」を改善しようとの運動についての記事を読んだ。これはイギリスではよく知られた問題。必要なものを手に入れるために、貧しい人々ほど多くのカネを払わなければならない仕組みを指している。

分かりやすい例は、彼らがローンを組むときにずっと高い金利を設定されること。だからもしも彼らの家の給湯設備が壊れたら、新たな2000ポンドのボイラーを購入するカネを借りるために、僕なら5%の金利を課されるところ、彼らはおそらく24%の金利を払わなければならないだろう。そして言うまでもなく、そもそもそれをすぐに買えるだけの貯金がある人だったら、シンプルに一括で購入してローンも金利も必要ないだろう。

貧しい人々は時に支払いが遅れたり、滞ったりして、その場合彼らは自宅のガスや電気の「前払い専用メーター」を設置せざるを得ないかもしれない。彼らは、プリペイドカードなどで前払いしなければならなくなる。この形態の光熱費はたいてい、通常より大幅に割高だ。

僕の妹は以前、引っ越してきた家にこの形式のメーターがついていたのに気付いてギョッとしたことがある。彼女と夫はどちらもクレジットヒストリーに問題がないことを証明して、このメーターを撤去させるのに数カ月を費やした。さらに彼女は、無料でこの手続きをしてくれるエネルギー会社を1社選ばなければならず、その会社のエネルギー価格が最安値であろうがなかろうが1年間は乗り換えができなくなってしまった。だから、この一件から分かるのは、最悪の支払いプランから逃れることは迅速にもできないし安上がりにも済ませられない、ということだ。

貧困でいることはカネのかかる状況であり、だからこそ「貧困トラップ」と言われるゆえんなのだ。


裕福な人が長生きする理由

たまたま僕は今、ロンドンの高級エリアにある友人の家に滞在している(友人家族が旅行に出ている間、ネコの世話をするためだ)。今日僕は、「貧困割増金」の写し鏡のような「middle-class perks(中流特典)」(と僕が名付けた)について考えをめぐらせていた。ここの駅のごく近くには、高級スーパーの「ウェイトローズ」があり、良質で新鮮な食料品がそろっている。貧困エリアではこうはいかない。ウェイトローズは「目印」のような店で、まずまず裕福な人々が住むお上品な地域に出店していることが多い。

僕の友人の家のそばには、有り余るほどの公園や緑地がある。ジョギングするには理想的だ。公営プールも数々のテニスコートも、ウェイトトレーニングマシンが置かれた無料の屋外「ジム」もある。もう一度言うが、貧困エリアではこうはいかない。

イギリスでは、裕福な人々は貧しい人々より10年ほど長生きする場合が多いという。もちろんそれは個人のライフスタイルの選択によるところが大きいけれど、高品質な食料品やスポーツ施設にアクセスしやすい状況であるほど、食生活において「良い選択」をすることも容易になる。


よく指摘されることだが、こうして彼らが長生きすることで富裕層は年金を長く受け取り、医療保険制度を長く利用し、(60代以上が対象の)無料バス乗車券を長く便利に使い続け、光熱費補助金(これも60代以上)を長く受けられることになる(どれ1つとして、要件を満たすかどうかの資力調査など行われない)。だから富裕層は、現役時代に貧困層より多くの税金を納めるけれど、引退後には貧困層よりたくさん回収しているのだ。

僕はそんなに頻繁にウェイトローズに行くことはないが、幸いにもメンバーズカードを登録していた。登録者は、スーパーで何であれ買い物をしたときにはいつでも無料で紅茶かコーヒーを提供される。10ポンド以上の買い物をすれば、無料の新聞ももらえる。だから今日は、ワインのボトルを2本買った時に無料のコーヒー(通常2ポンド)とタイムズ紙(通常1.8ポンド)まで手に入れた。そして僕は、併設されたテーブルでコーヒーを飲み、新聞を読んだ。

中流層の多くの人々と同様、僕も買い物でクレジットカードを使う。それはつまり、支払い日まで最大6週間が設けられているということだ(金利はゼロ)。僕のクレジットカードはさまざまな小売り業者と提携した期間限定サービスなどを提供していて、偶然今月は、ウェイトローズでの買い物5%オフがついていた。そんなものは「はした金」に思えるかもしれないが、イギリス生活のさまざまな場面でこうしたパターンが繰り返されているから、積み上がればけっこうな額になる。

腰かけてコーヒーを飲みながら僕は、貧困層が手に入れることもできず、必要とあればカネを出して買うことしかできないような、「無料サービス」から自分がどれだけの恩恵を受けているかを思い知らされた。特に、美しいエリアに住み、僕にしばらく家を貸してくれるのに見返りはネコの世話とワイン2本のお礼で済むような、裕福な友達がいる場合はなおさらだ。




引用元の記事はこちら(https://www.newsweekjapan.jp/joyce/2019/06/post-166.php)


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