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激減から何故急回復?

2020年09月08日

群馬の温泉地需要 なぜ急回復、温泉地 支えた地元客

《湯けむりの先に》需要消失 温泉地 支えた地元客 コロナ禍で「マイクロツーリズム」に注目
9/7(月) 6:02配信

上毛新聞

休日の伊香保温泉石段街。コロナ禍で止まっていた客足は徐々に戻りつつあり、家族連れや若者の姿も見られた=8月30日

 群馬県を代表する観光資源である温泉は、戦後の経済成長と交通網の整備に伴い、のどかな湯治場から観光地へと姿を変えた。経済効果が大きく、地域活性化や知名度向上に貢献。近年はインバウンド(訪日外国人客)も増えたが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況が一変した。「第2波」ともいわれる再拡大で長期戦の様相を呈するコロナ禍。業界は失われた需要の掘り起こしに努める一方、近場の観光地を見直す「マイクロツーリズム」という考え方も注目されている。

■激減から急回復

 情緒ある広大な露天風呂が人気の宝川温泉「汪泉閣」(みなかみ町藤原)。会員制交流サイト(SNS)を通じて多くの外国人が訪れるようになったが、今年は書き入れ時の大型連休に休業を余儀なくされた。

 現在も客同士が接しないようにするなど感染対策を徹底し、客室の稼働率も上がってきた。だが感染再拡大を踏まえ、インバウンドが集中していた冬に向け今年はいかに国内の客を取り込むかを課題に据える。小野与志雄社長は「コロナとうまく付き合っていきつつ今は耐えるしかない」と苦悩する胸の内を明かした。


群馬県の四大温泉地の宿泊者数



 緊急事態宣言や休業要請で、四大温泉地(伊香保、草津、四万、みなかみ)の人の動きは目に見えるように止まった。4、5月の宿泊者は前年から8~9割減り、1月に2万4000人いた外国人宿泊者は4月にわずか470人まで落ち込んだ。ある旅館経営者は「営業しない方がいいと思いつつ、休んだらつぶれるかもと不安だった」とつぶやくが、同様に各旅館はジレンマを抱え続けた。

 群馬県はそんな中、県内宿泊施設に県民が泊まると1人1泊5000円を割り引く愛郷ぐんまプロジェクト「泊まって! 応援キャンペーン」を6月から始めた。7月31日までの期間中、利用者は約32万7000人。温泉地を訪れる客は7月にかけて増加し、7月の四万温泉の実績は昨年を上回った。県も「県民に群馬の観光を守ってもらった」と効果を実感する。

■長期的取り組み
 同プロジェクトに連動した動きは、市町村や観光協会にも広がった。渋川市と観光関係団体は伊香保温泉の応援プロジェクトを実施。市全体で統一した受け入れ態勢の基準を作り、市民を対象にした宿泊費補助を設けた。



 渋川伊香保温泉観光協会は宿泊費補助について、「近すぎて泊まったことがなかった人たちも、この機会に利用してくれた」と振り返る。愛郷プロジェクトとの相乗効果もあり、7月の宿泊者数は昨年の約98%に回復しており、「効果は大きかった」と強調する。

 温泉地の宿泊客は持ち直しつつあるが、回復につなげるには、その時々の需要を捉えて最大化する長期的な取り組みが欠かせない。星野リゾート(長野県軽井沢町)は、自家用車で1~2時間圏内を観光するマイクロツーリズムの重要性を発信している。

 これまで首都圏客が8割だった四万温泉でも今年は群馬県の客が大半を占めており、四万温泉協会は「地元の魅力を再発見してもらう機会になった」と分析。今後のリピーター獲得につなげたいとしている。

 いったんは持ち直したように見える温泉需要だが、コロナの再拡大と県のキャンペーン終了で先行きは不透明だ。失った観光客を取り戻すため、業界の営業力、競争力が問われている。

【インバウンド】成長市場 不透明に
 少子高齢化や人口減少に伴って国内の観光需要が縮小する中、インバウンド(訪日外国人客)への期待は年々増してきた。政府は成長戦略の一環で「観光立国」を掲げ、受け入れ態勢の拡充を推進。東京五輪・パラリンピックを追い風にしようとしたが、新型コロナウイルス感染拡大が“急ブレーキ”をかけている。


群馬県内の外国人延べ宿泊者数の推移

 観光庁の宿泊旅行統計調査(確定値)によると、2019年に国内で宿泊した外国人(延べ人数)は過去最多の1億1566万人を記録。都道府県別では東京が最多の2935万人で、大阪1793万人、京都1203万人と続いた。群馬県も29万2490人と過去最多を更新したが、今春以降は入国規制によって海外からの観光客の姿が消えた。

 新型コロナの収束が見通せず、今後のインバウンド需要は不透明な状況だ。とはいえ、外国語対応やキャッシュレスサービス、公衆無線LANサービス「Wi-Fi(ワイファイ)」の整備など、外国人が旅行しやすい環境づくりは進めておく必要がある。


 異なる文化や宗教に対する理解はその第一歩だ。国は本年度、渋川市の伊香保温泉をモデル地区に、ベジタリアン(菜食主義者)など多様な食習慣を持つ観光客向けに地場食材を活用した食事を提供する事業に取り組む。他の温泉地でも、タトゥーが入った人が入れる温泉をはじめ、イスラム教の戒律に沿う「ハラル」の食事を提供したり、菜食主義者向けのメニューを考案したりする動きがある。

【新規開拓】テレワークや3密回避 PR
 新型コロナウイルス感染拡大で冷え込みが続く県内の宿泊施設は、需要の掘り起こしに向けて新たな取り組みを加速させている。旅行先で余暇を楽しみながら働く「ワーケーション」や、ITを活用した独自の感染対策を進めるなど試行錯誤を重ねている。

 ワーケーションは、ワーク(働く)とバケーションを組み合わせた造語。3密を避けた働き方と、観光振興を両立した施策として国が推進している。

 草津温泉の奈良屋は3月から、草津町内の素泊まり専用ホテル「源泉一乃湯」で「テレワーク応援プラン」を始めた。無料のWi-Fや長期滞在を可能にするランドリールームを提供。仕事後に温泉でゆっくり過ごせるとして、注目されている。

 片品村の尾瀬岩鞍リゾートは、素泊まりに通信環境が整ったテレワーク用の別室を用意したプランを販売する。担当者は「今後、さらなる需要が見込める」と期待。平日やシーズンオフ時の集客を目指している。

 オンライン化に活路を見いだす動きも。草津白根観光ホテル桜井(草津町)は、密になりやすい大浴場やレストランなどの混雑状況を宿泊客に知らせるアプリを導入。客室に掲示したQRコードをスマートフォンで読み取るとアプリに接続できる。坂下悦康総支配人は「コロナ対策をしているホテルとして評価が高まれば」とし、リピーターの獲得や口コミによる新規開拓につなげたい考えだ。

《視点》域内観光の補助強化を
 新型コロナウイルスの影響で、県内温泉地はかつてない苦境に立たされた。緊急事態宣言の解除以降、客は戻りつつあったが、7月から感染が再拡大。感染防止と経済活動の維持の両立に課題を突き付けている。


 そんな中でスタートした政府の観光支援事業「Go Toトラベル」キャンペーン。感染の広がり方は各地で異なり、コロナ対策への考えも国と地方には温度差がある。感染拡大の懸念から、県境をまたぐ移動への抵抗感は依然として根強い。国は「Go To」の予算を、各都道府県民が地元で観光する際に補助する制度に振り分けたらどうだろうか。

 地元の宿や飲食店の利用が促され、経営が安定化に向かえば雇用の維持、拡大といった地域経済の好循環につながる。地元観光をすることは、古里の良さを見つめ直すことにもなるはずだ。

 実際、県が実施した愛郷ぐんまプロジェクトは旅館や観光関係者から「助けられた」との声が多く、評価できる取り組みだ。コロナとの闘いが長期化する中で、プロジェクトの第2弾、第3弾が行われることに期待する関係者は少なくない。

 群馬といえば温泉をイメージする人は多いだろう。群馬県観光の要だからこそ、住民や観光関係者が一丸となって自分の地域を守る意識を共有し、「地元の消費」を大切にしたい。(沼田支局・堀口純)



引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/a1dc8069ae0cefb41589bf329db7242ad155e2fc?page=1)


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