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伊勢丹新宿店では高額なおせちのサンプルがずらりと並んだ

2021年01月03日

「高額おせち」がコロナ禍で売れまくった事情

新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、初めてのお正月を迎え、「おせち料理」にも異変が生じている。


 「売り切れたスピードは例年の倍以上で、異常な伸びだった。いくら巣ごもりと言っても、以前からおせちを食べる文化がない人には響かないと思っていた。なぜこんなに売れているのか正直把握できていない」

 百貨店大手の三越伊勢丹でおせち販売を担当する中本光昭マーチャンダイザーは驚きを隠さない。同社が展開する伊勢丹では、2020年10月の予約開始当初から注文が好調で、売り上げは前年比で1割ほど増えた。

 EC(ネット通販)やGMS(総合スーパー)でも同様だ。特設ページを設けたEC大手の楽天市場では、10~11月における注文数は前年比で倍増。GMS大手のイトーヨーカドーでは、おせちの売り上げが前年比4%増加すると当初見込んでいたが、ふたを開けると約10%も増加した。

■売れ筋は「個食」と「高額品」

 この「おせち特需」の背景には、新型コロナの感染拡大によって年末年始の帰省や海外旅行を諦め、お正月を自宅で過ごす人が増えたことがある。イトーヨーカ堂の小畑盛揮マーチャンダイザーも「コロナ感染が再拡大してから巣ごもりのマインドが高まり、おせちの販売が急激に増えた」と振り返る。

 売れ筋商品のトレンドにも大きな変化が見られた。キーワードは「個食」と「高額品」だ。

 おせち料理と言えば、帰省先で家族や親戚が集まり、多人数で大きな重箱おせちをわけ合うのが通常だ。しかし、今回の年末年始は帰省を控える家族や個人が増えた結果、少人数用おせちの需要が急増。イトーヨーカドーでは一段重おせちの販売が前年より25%増加したほか、楽天市場でも1人用おせちが人気だった。

 「家族それぞれが違った味を楽しめるように別々の一人前おせちを人数分頼んだり、一人暮らしでも気軽に味わったりできる」(楽天広報)

 感染対策として同じ料理を共有することを避ける意識の高まりも、おせちの風景を変えた。重箱の1段分に1人分の料理が盛られて取り分ける必要がないおせちの売れ行きが例年以上に好調だ。三越伊勢丹ではそうした状況を当初から想定し、取り分け不要のおせちの商品数を1.5倍に増やして対応したにもかかわらず、早々に売り切れたという。

 例年であれば年末年始を海外で過ごしていた中高所得者層が、自宅に巣ごもりする分、豪華なお正月を過ごそうという動きも強まった。高級料亭「東京吉兆」のおせちは、伊勢丹での販売数が例年の1.5倍に伸長。全体的には新規顧客が多く単価が安い傾向にあるECからの注文が増えた一方で、店頭や電話での注文では5万~10万円といった高額品の売れ行きが好調だった。


■6月からおせち生産を開始

 需要の拡大を受けて、おせち製造にかかわる企業も恩恵を受けている。冷凍おせちの製造を受託するアサヒウェルネスフーズ(大阪府貝塚市)はその1社だ。同社は卸売業者を通して具材を調達しておせちを生産し、通販会社や百貨店、スーパーマーケットなどへ卸す業者に販売している。

 同社ではおせちの需要が伸びることを2020年前半の段階から想定し、生産量の増加に対応するために例年より1カ月早い2020年6月からおせち生産を開始。おせちの見込み量のうち7~8割を11月までに製造し、12月の実際の受注状況を受けて残り分を調整する方法で生産するが、今回は12月の注文が見込み量を大幅に超過した。その結果、受注したおせちの段数は、前年比2割増の78万段にまで増加したという。

 このように特需に沸いたおせち業界だが、供給能力の制約などの理由から、すべての需要増を取り込むことができたわけではない。

 消費者からの受注を10月に開始する前の段階で、食材や重箱などの製造数量が決まる。しかも、業界各社が同じ時期にほぼ同じ材料を必要とするため、注文が急増しても、すべてに対応するのは困難なのだ。冷蔵品の場合、高級料亭や工場などで12月28日から30日の間に一気に作り上げるため、生産量に限界がある。

 コロナ禍で増えた商品配送にも対応しきれなかった。伊勢丹では例年で8割程度が個人宅に配送されているが、2021年用は割合がさらに増加。イトーヨーカドーでも配送の割合が例年より10ポイント以上増加し、50%超にまで伸びた。三越伊勢丹の中本氏は「12月31日に届けるおせちの配送能力は限界に近く、一部で受注の抑制も行った」と話す。

 コロナ禍で需要が急拡大した今回は例外的ではあるが、お正月におせちを食べる習慣がない人は多い。一方で、意外なことに重箱に詰められた市販の「おせち」は市場規模が毎年成長している。


 公式な統計はないものの、業界関係者の話を総合すると、おせちの2020年の市場規模は600億~630億円程度で、約400万セットが販売されたとみられる。約300億円だった2000年頃からの20年間で市場規模は倍増している。

 市場拡大の背景には、おせちを家庭で作らなくなったことがある。従来は年末に食材を買い出して手作りする家庭が多かったが、共働き世帯の増加などの理由で減少傾向に。市販品を購入すれば、多忙な年末の時間を有効に活用できるとあって、一度購入すればリピーターになる人も多い。

 「かまぼこや伊達巻きなどのおせち具材は苦戦が続いている一方で、重箱の詰め合わせに顧客がシフトしている」(イトーヨーカ堂の小畑氏)

■台頭するECの存在

 加えて、その流れを加速させているのがECの存在だ。重詰めおせちは約40年前からGMSなどで販売されていたが、豊富な種類を取りそろえ、手軽に購入できるECが近年普及した結果、市場が急拡大。ここ数年は年5%弱程度のペースで市場の成長が続いているとみられる。

 総務省によると、2020年1月時点での国内の世帯数は5907万世帯。市販のおせちを購入する流れは今後も強まるとみられ、現在の市場規模から考えても、さらに販売数量を伸ばす余地は大きいとおせち関連の業者らは意気込む。

 とはいえ、おせちを購入する層の増加で当面の成長は見込めるものの、おせちを食べる人そのものは減少傾向にあるのが現実でもある。昔ながらのおせちには関心のない顧客も呼び込める商品や、幅広い価格帯での提供による顧客層の開拓、配送体制の拡充など、潜在的な需要を取り込むための体制強化が求められている。




引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/f9641e430178fed6ac3d25f109d68be7292ea856)


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