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2万5000年前の東アジアでのパンデミックが遺伝子に

2021年05月04日

2万5000年前、東アジアはコロナの猛威を経験?

2万5000年前、東アジアはコロナの猛威を経験? 新型で死者少ない理由か
5/3(月) 13:43配信

ニューズウィーク日本版


──ウイルスに強いタンパク質を生成できるゲノムが広まるようになった......

2万5000年前の東アジアでのパンデミックが遺伝子に耐性をもたらした?

昨年からのパンデミックを引き起こした新型コロナウイルスは、アメリカ、ブラジル、ヨーロッパ、インドなどで多数の犠牲者を出している。一方、私たちの住む日本や当初の震源地だった中国などを含め、東アジアの国々は死者が比較的少ない。



背景には社会制度や経済など多数の要因が絡むが、新たな研究によると、数万年前に東アジアでコロナウイルスが流行しており、私たちの遺伝子に耐性をもたらした可能性があるという。

今回の内容を発表したのは、米アリゾナ大学のデイヴィッド・エナード助教授ら研究チームだ。チームは既存の国際研究「1000ゲノムプロジェクト」で収集された遺伝情報を参照し、世界26の地域から2504人分のデータを得た。

エナード助教授たちはヒトのタンパク質のうち、コロナウイルスの感染過程に関与する420種のタンパク質に注目した。うち332種は、現在流行中のCOVID-19の感染過程にも共通して影響するものだ。

分析の結果、これら420のタンパク質すべての生成を顕著に増加させるようなゲノム(遺伝情報)の変異は、東アジアの人々にのみ生じていることが判明した。このことからチームは、過去に東アジアの人々がコロナウイルスまたはそれに酷似したウイルスと長期間闘っており、その過程で闘いに有利な進化を獲得したのではないかと推測している。

チームはさらに、このうちウイルスとの関連がとくに密接であると考えられる42種類のゲノム上の変異を追跡した。すると、今から2万5000年前から特定の変異が増加し始め、5000年前ごろまでに収束していたことが判明した。エナード助教授は、この間の2万年という長期間にわたり、東アジアの人々が古代のパンデミックに晒されていたと見ている。

■ ヒト側のゲノムからパンデミックの影響に迫る

今日では変異ウイルスが話題となっており、主にウイルス側のゲノムの変化が注目されている。一方、本研究はヒト側のゲノムの変異から古代の出来事を解き明かすものであり、その点でも興味深い研究と言えそうだ。

エナード助教授はライブ・サイエンス誌に対し、「ヒトの集団に影響を与えるウイルスは常に存在してきました。実のところウイルスは、ヒトのゲノムに自然選択が起きる主な要因の一つなのです」と語っている。

自然選択とは、生存に有利な特性が普及し、そうでないものが自然と淘汰される現象を指す。時とともに、人類の生存に有利なゲノム、すなわちウイルスに強いタンパク質を生成できるゲノムが広まるようになった。

一例として、免疫力に関わるヒトのタンパク質では、免疫作用を強化する方向への進化が見られた。また、ウイルスは細胞に侵入してその機能を乗っ取り、自己の複製に利用するようになるが、この乗っ取りを妨げるようなタンパク質の進化も見られたという。

なお、周知の通り、ゲノムは必ずしもヒトに有利な方向に変異するものではない。ヒトに有利な変異もあれば、不利な変異もあるほか、ことさら意味を持たない変異もあり得る。

しかし、古代のコロナウイルスとの闘いに有利な突然変異がひとたび起きれば、その持ち主は他の人々よりも高い確率で生き延び、子孫を残しやすくなる。これを繰り返すことで、特定のウイルスへの防御力に優れる遺伝情報が集団の多数を占めるようになり、世代を追ってやがて定着してゆく。これは進化の過程における「選択」と呼ばれる現象で、不利なものが姿を消す「淘汰」と対をなす概念だ。

こうして東アジアに広まったゲノムの変異が、今日流行中の新型コロナウイルスとの闘いでも生きている可能性があるという。サイエンス・ニュース誌は本研究について、「古代ウイルスのエピデミックに関連した遺伝子が、COVID-19のパンデミックなど現代の疫病のアウトブレイクに対し、どのように寄与しているのかを探る上ための道を拓く」ものだと評価している。

■ 正式な論文となるため査読が待たれる

本研究については、第三者による査読の準備が目下進められている。現段階では正式な論文になっていない点に注意が必要だ。現在はプレプリント保管サービスの『バイオアーカイブ』上で公開されている。

また、ゲノム上の変異が活発に起きていたことは確からしいものの、その原因が確実にコロナウイルスであったかは現段階で断定できない。研究者チームは、コロナウイルスと同じタンパク質のゲノムに影響を与える別種のウイルスであった可能性も否定はできないとしている。

エナード助教授たちが追跡した42種類の変異のうち21種類は、コロナウイルスだけでなく、それ以外のウイルスの感染過程にも影響をもたらすものであった。そのため、コロナウイルスの流行と並行して、それによく似た仕組みで細胞に侵入する他のウイルスが同時に蔓延していた可能性も残されているという。

しかし、完全な証明は困難だとしても、2万5000年前の疫病の正体がコロナウイルスだったと考えることにはある程度正当性があるようだ。ライブ・サイエンス誌は、調査に参加していない第三者として、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の准教授であるジョエル・ウェルトヘイム氏のコメントを紹介している。

氏は「この進化を促したウイルスがコロナウイルスに該当するかを断言するのは非常に難しいですが、もっともらしく説明できる理論のように思われます」と述べ、一定の妥当性が認められるとの見解を示している。

今日のパンデミックで東アジアが比較的安定した状況にいられる背景には、私たちの祖先が2万年かけて獲得した遺伝子の存在があるのかもしれない。

青葉やまと



引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/7ce4122b116ec3fe408eca9eb0686382474261c7)


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