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子どもを一人でお使いに出すことは現在のアメリカでは「非現実」

2022年04月24日

『はじめてのおつかい』がアメリカで巻き起こした大論争

<保護責任が厳しく問われるアメリカでは、子どもを一人でお使いに出すことは「非常識極まりない」はずだが......>

子どもを一人でお使いに出すことは、現在のアメリカでは「非現実的」 damicudic/iStock.

日本のNTV系列が放送している長寿番組『はじめてのおつかい』の中から、諸条件に合致したエピソードの放映権がNetflixに売却され、この4月1日から「Old Enough」(「(単独行動をするには)十分に大きい」)というタイトルで世界各国で視聴されるようになりました。一番幼い場合は3歳児未満という幼児が、親に頼まれて「一人でお使い」に行くというリアリティー・ショーですが、アメリカでは大変な話題になっています。


アメリカでは、州によって若干の違いはありますが、基本的に13歳未満の子供に対しては保護者の監視が義務付けられています。ですから幼児に一人で街路を歩かせていることが判明した場合には、その幼児は即座に保護され、保護者は逮捕されるばかりか、そのような「危険な状態を見て見ぬふりをした」場合には目撃者も刑事責任を問われる場合があります。保護者の場合、再犯など悪質と判断されると最悪の場合には親権を失う危険もあります。

この『はじめてのおつかい』は、そんなアメリカの「常識」とは真っ向から対立するコンセプトで作られており、普通に考えるとヒットする可能性は少なかったはずです。そうなのですが、Netflixは見事にある種の「鉱脈」を掘り当てたようです。一体アメリカの視聴者はどうして、アメリカでは「非常識極まりない」この番組に吸い寄せられたのか、まずその手がかりは同番組をめぐる現在進行形の「論争」にあると思います。

<米社会へのアンチテーゼも>

さまざまなメディアが、さまざまな切り口で論争を取り上げています。

まず、大きな話題になったのは、「ニューヨーク・タイムス」(電子版)が4月16日に掲載したオピニオン・ライターのジェシカ・グロウス氏のコラムです。

グロウス氏の論点は、現状ではアメリカで幼児に「はじめてのおつかい」をさせるのは法律面でも、また安全の面でも非現実的だとした上で、アメリカの家庭教育が「子供を独り立ちさせない」傾向があるという問題提起をしています。つまり、社会的な適応力など、子どもの持っているさまざまな能力を引き出して、自立させるようなアプローチがアメリカでも検討されるべきだというのです

一方、NBCテレビは、朝の情報番組『トゥデイ』でこの番組を大きく取り上げています。現時点では、番組のMCであるキャスターのサベナ・ガスリーに「危険だから絶対ダメ」という反対派の論陣を張らせる一方で、「アメリカで『はじめてのおつかい』は成立するか」というアンケートを「イエス」と「ノー」の間で振れる「メーター」で表示する仕掛けを導入。多角的な議論に発展させようという仕掛けです。


<治安悪化に高まる不安>

その他にも、交通関係のポータルサイト「ストリートブログUSA」では、交通環境の違いに着目。軽四が多く平均時速の遅い日本のモータリゼーション環境は、アメリカより安全性が高いとか、アメリカには徒歩移動を可能にするインフラがないといった指摘をしながら、この『はじめてのおつかい』を論じています。

以上はほんの一部に過ぎません。ですが、とにかく「子どもの単独行動は違法」というアメリカ社会で、『はじめてのおつかい』がここまでヒットして、賛否両論を巻き起こしているのは不思議な現象です。その背景には、おそらく次の4つの要因が指摘できると思います。

1つは、コロナ禍とウクライナ情勢のニュースで疲弊したアメリカの大人たちにとって、日本の幼児の「可愛らしい健気な姿」が究極の「癒し」になっているという点です。

2つ目は、アメリカの現実としてはコロナ禍による社会の混乱の結果、都市部を中心に治安が極端に悪化しています。このアメリカの現実と日本の治安の良さを比較することで、あらためて「銃規制」への議論を提起したい、そんな政治的な動機もうっすらではありますが、感じられます。

<日本ブームの一環でもある?>

3つ目は、コロナ禍の中でテレワークが一般的となり、多くの家庭ではこの間、子供と向き合う時間が拡大しました。そんな中で、親たちには子どもの成長、自立といった問題を考えるチャンスがあったのだと思います。簡単に言えば、アメリカの子どもも「もう少し自立してくれれば」という願望が生まれたことが、番組に関する論争を勢い付かせているのだと思います。

4つ目は、日本ブームの一環ということです。コロナ禍の中で、アメリカでは日本への憧れがさらに膨張しています。『鬼滅の刃』、ラーメン人気、大谷翔平人気に佐々木朗希へのラブコール、近藤麻理恵さんの「片づけ」哲学に、シニア向けの生きがい論など、この2年で日本への「片想い」は強まるばかりです。これに「幼児が一人で買い物できる平和で安全な社会」というイメージが加わったわけです。

こうした傾向が続くと、ポストコロナの時代には、大勢のアメリカ人が日本に殺到することになるかもしれません。



引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/3995c988e7f7b67a04ecc377f9b358aa768768f0)


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