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ガラパゴスの独自性がこれから威力を発揮

2022年10月08日

世界大混乱は日本の追い風、ガラパゴスの独自性がこれから威力を

「八つ」どころではないかもしれない大乱の要素

写真提供: 現代ビジネス

 10月16日に中国共産党大会、11月8日に米中間選挙が行われる。

 8月22日公開「台湾問題は実は反習近平派からの挑戦状、3期目は果たしてあるのか」、においては、「基盤がぜい弱な習近平政権の行く末」、8月31日公開「外交、軍事、内政、何をやっても『まるでダメ夫』なバイデン米大統領」では、2020年大統領選挙不正疑惑に蓋をしたままで国民から不人気のバイデン民主党政権の「暴走の可能性」について心配した。

【写真】国力下り坂の米国が没落して「世界戦国時代」がやってくるのか

 共産党大会、中間選挙後に、6月18日公開「国力下り坂の米国が没落して『世界戦国時代』がやってくるのか」という可能性が日増しに高まっていくと思われる。

 世界戦国時代の「大乱」の八つの要素については、「大原浩の逆説チャンネル<【第1回・特別版】大乱の八つのテーマと対処法>」3:48頃を参照いただきたいが、列記すると次の通りになる。

 1.資源・食料の不足、2.気候問題(冷害、寒冷化)、脱炭素による負の影響、3.インフレ、4. 地政学リスク、5.金融危機、6.格差拡大 (国内および南北)、7.政治の腐敗、弱体化、既得権益の増大(に対する反発が過激化する)、8.全体主義の台頭

 これらの「大乱」への対策は昨年11月30日公開「習近平ですら吹っ飛ぶインフレの脅威…2022年、世界『大乱』に立ち向かう7つのポイント」でも述べているのでこちらも参照いただきたい。

 1つだけ補足させていただきたいのは、「八つのテーマ」の「2.気候問題」である。昨年12月6日公開「脱炭素原理主義が今の『自業自得エネルギー危機』を招いている」の通りだが、1月29日公開「トンガ海底火山噴火で地球寒冷化は必至、慌てふためく『脱炭素』勢力」の問題は、来年以降に顕在化する可能性が高い(噴火後寒冷化するまでに時差がある)。

 それだけではない。「【太陽活動の影響】太陽の異変 宇宙線が揺るがす気候変動|ガリレオX第15回」で述べられているような、太陽活動の低下も懸念される。「17世紀初頭、太陽活動の周期は16年まで延びていた」で触れられているマウンダー極小期のような寒冷化が進行すれば、「1.資源・食料の不足」にも大いにつながる(暖房用などの)エネルギー危機や大飢饉が起こるかもしれない。

 なお、最近の太陽黒点の活動は、「国立天文台太陽観測科学プロジェクト・三鷹太陽地上観測」などによれば、マウンダー極小期のような深刻な事態が起こる兆候ははっきりとは見えないが、活動が低下傾向にあるのは明らかのようである。

 人間界だけではなく、自然界においても「大乱」の可能性があるということだ。


戦後77年のすべてがひっくり返る?

 「ゆでガエル現象」は有名だ。適度な湯加減からごくわずかずつ温度を上げていくと「いい湯加減だ」と思ったまま、最後には茹で上がってしまうということである。

 第2次世界大戦後、人々は空前の繁栄の時代を過ごした。1950年に25億人であった世界人口が、およそ70年後の2022年には3倍以上の80億人に達する見込みであることがその象徴である。

 戦後も世界中で紛争が絶えなかったが、それでも世界は第2次世界大戦以前よりも「平和で快適」であったからこそ、人口爆発が起こったのである。これは他の生物の生態などと比べても明らかだ。

 特に日本は、一度も戦争に巻き込まれず、焼野原から世界の大国へと成長したからまさに「楽園」であったと言える。

 だが、その楽園が永続しないであろうというサインが、最近相次ぐ「危機の連鎖」ではないだろうか。 
「楽園」の土台が崩れる

 10月4日公開「ドルはいつまで基軸通貨でいられるか、実は日本円は意外と強い」で述べたように、欧州は第2次世界大戦以前からすでに「没落」へ向かっていた。米国は、第2次世界大戦後に絶頂期を迎えたが、その後劣化した。

 特に1975年のサイゴン陥落という悲惨な目にあったベトナム戦争が、実は「米国の真の繁栄」の終わりであったように思う。この時代までの米国の強さは優れた製造業にあったからだ。

 その後、長い低迷の時代を経て1990年代中盤から米国は活況を呈した。だが、これは金融というマネーゲームと、IT・インターネットという「大風呂敷」を広げるビジネスが牽引した。要するに一種のバブルであったのだ。

 むしろ、経済が好調であることによって「ゆでガエル」となり、抜本的構造改革を怠ったことが現在の状況を招いたといえよう。

 また、共産主義中国も、1978年以降の改革・開放政策が、多少の波乱はありながらも順調に進展し、北朝鮮よりも貧しいと言われた国が、世界第2位のGDP大国となった。しかし、その中国の行く末が「真っ暗闇」であることは、コンセンサスになりつつある。

 さらに、欧州においても、1999年1月1日、EU加盟国のうち11カ国において単一通貨「ユーロ」が誕生したことによって、「統合バブル」が生じたといえよう。だが、それも前述「ドルはいつまで基軸通貨でいられるか、実は日本円は意外と強い」で述べたように、「エネルギー危機」などで終焉を迎えつつある。

 しかも、過去数十年、世界中に「新興国」があふれ、金融緩和でだぶついた資金が向かったが、それらのマネーが逆回転を始めた。

 このように、世界を概観すると、今回やってくる危機は、アジア通貨危機、リーマンショックなどとは全く異なった「複合危機」であることがよくわかる。

 短期的なショックではなく、戦後77年間続いた「楽園」の土台が足元から崩れつつあると考えるべきであろう。

 世界中が不安定になるから、どこで火を吹くのかわからないということだ。


日本は冷戦時代に発展した

 さて、日本も1950年の「朝鮮特需」以降、「奇跡の成長」を遂げた。しかし、40年後の1990年頃、「バブル崩壊」によって奈落の底へ突き落とされた。

 そして、このバブル崩壊後のおおよそ30年、日本は「失われた」苦しみに耐えてきた。これは不幸な出来事である。

 だが、視点を変えれば、我々は諸外国よりも30年も早く奈落の底に突き落とされ、切磋琢磨してきたのである。「歴史」的観点から考えれば、これは幸運であったと言えるのではないだろうか。それだけ早く「楽園追放」後の世界を生き抜いて「筋肉質」になっているのだ。

 これは単なるアノマリーかもしれないが、日本の戦後の繁栄は、冷戦が本格化した1950年の朝鮮戦争から、1989年ベルリンの壁崩壊、1991年ソ連邦崩壊に挟まれたバブル崩壊までのおおよそ40年間である。

 この冷戦時代、特に後半の米国はベトナム戦争の後遺症で悲惨な状況であり、「日本が米国を抜くぞ!」という「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という論調にあふれていた。

 逆に冷戦が終結してから、世界が繁栄したのに対して、日本は「失われた30年」を経験した。

 ウクライナ紛争に始まる「第2次冷戦」とでも呼ぶべき状況は、「第1次冷戦」のような「共産主義対資本主義」という単純な構造ではない。そもそもロシアは共産主義国家ではないし、西側諸国に対抗するRIC(ロシア、インド、チャイナ)の中のインドも、共産主義国家ではない。

 あえて言えば、「(欧)米」対「反(欧)米」の対決であるわけだが、日本はイデオロギーや宗教において非常に寛容な国であり、今回の「第2次冷戦」においても有利な位置を占めることができる。

 世界がこれから「大乱」の時代に入っていくのは明らかだが、日本は30年前に奈落の底に突き落とされているから、今回はむしろ「浮上」のチャンスになるかもしれない。

 もちろん、世界の大乱の影響は日本にも及ぶから、決して甘く見ているわけではない。


日本は大変革期に一致団結できる

 歴史を振り返れば、明治維新や戦後の混乱期が、日本の繁栄のスタートであったことは明らかである。

 だが、幕末の混乱の中生きた人々や、戦後の食料難の時代を生きた人々の大変さは容易に想像できる。「歴史」という他人事と、自分が「体験」するということは全く別物だ。

 だが、この2つの時期に共通するのは「国民が一致団結して困難に立ち向かった」ということである。

 幕末が典型だが、国が乱れてしまえば悪人(独裁者)や外国に乗っ取られる。また、戦後日本がソ連に分割統治されなかったのは幸運だが、これも日本人が一致団結しておりソ連に介入の口実を与えなかったからだと言える。つまり、日本人は「最後の一線」で強力な団結ができるということだ。

 「水に流す」という思想は、極めて「寛容」な文化であり、日本発展の原動力だ。どこかの国のように「1000年間恨み続ける」というような文化では一致団結できない。

 「大原浩の逆説チャンネル<第1回・特別版>大乱の八つのテーマと対処法>」17:08頃から紹介している「客家大富豪の教え」第2の金言は、「許すことを知れば運命は変えられる」である。

 日本人の諸外国に対する態度を見ると、「寛容すぎる」と思わなくもないが、国内外において「日本人の寛容さ」やそれによって育まれる「団結力」は危機を乗り切るための大きな武器である。
日本は、諸外国の何周も先を走っている

 昨年2月28日公開「1400年の歴史、世界最古の会社が日本に存在している…!」で述べた、1400年間の「継続的進化」は他国では真似できない。

 短期的に見ると、海外の方が進んでいるように見えることもあるが、実は海外の国々は日本よりも周回遅れで日本の前を走っているに過ぎないのだ。

 日本はよくガラパゴスだと揶揄される。確かに日本の文化が他の国々に比べて特殊であることは明らかだが、それは日本が諸外国の何周も先を走っているからである。

 他の国々がまだ到達していない「歴史的進化の新たなステージ」だから理解されにくいのだ。


破壊と再生は日本のお家芸

 2018年11月11日公開「『日本は変われない』という思い込みが本物の停滞を招いている」3ページ目「破壊と再生で1300年以上も続いた」で解説した式年遷宮に代表されるように、台風、地震の被害に常にさらされる日本は「危機対応」が標準だ。

 日本人はぬるま湯には弱く腑抜けになってしまうが、危機になればその真価を発揮する。

 これからやってくる世界的大乱は空前絶後のものになるであろうが、「日本は大丈夫」と信じてよいと考える。

大原 浩(国際投資アナリスト)



引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/f05bd84698420534f607a30de3e3813f6ab54878)


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