2020年07月25日
いい花屋さんの見分け方 知名度より重視したい2つのこととは
コロナ禍で気づいたのは、より心地よい空間に住みたいという欲求。
整理され掃除がいきとどいた部屋、クリーンな空気、目に優しい照明……さらに花があれば、自然が息づく潤いある空間に。
【画像】センス良くて長持ちさせる花の飾り方
花とともに暮らすハウツーをフラワーデザイナーの佐藤俊輔さんに教えていただきました。5回にわたって特集します。
いい花屋さんはグリーンが多い!?
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グリーンは花束やアレンジメントの出来を左右する。
花を迎え入れる準備と賢い花の買い方についてレクチャーさせていただきましたが、今回は「いい花屋さんの見分け方」を伝授します!
想像してみてください。駅前には2軒の花屋さんがあります。1軒は、昔から地域に愛されている花屋さん。もう1軒は、最近新しくできた全国チェーンの花屋さん。どちらの花屋さんで花を買ったほうがいいでしょうか?
答えは、簡単です。花以外の葉物や枝物などの植物、つまり「グリーンの多い花屋さん」を選んでください。
では、なぜグリーンの多い花屋さんがいいのでしょう?
花束やフラワーアレンジメントというと、花が主体のイメージがありますが、実は葉物や枝物を入れることが多く、葉物や枝物の使い方で、花束やフラワーアレンジメント自体の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。
ですから、「グリーンの品揃えが豊富な花屋さんはいい花屋さん」となるわけです。
では、プロはどうしてグリーンにこだわるのか。それは花束やアレンジメントにグリーンを入れるメリットがたくさんあるからです。
主なメリットは、「ラインや質感の幅を広げる」「ボリュームを大きく見せる」「色の調和をはかれる」「花同士が傷つくのを防ぐ」「花持ちをよくする」の5つです。
ガーデニングでも活躍するアイビーなどのつる植物は垂れ下がるラインを演出してくれますし、モンステラやヤシ類など大きなグリーンは、大きなスタンド花などに使用すると、特徴的な形や大きさが際立つアレンジメントになります。
「色の調和をはかれる」というのは、例えば花屋さんで何も考えずに好きな花を選んでいたら、赤・青・ピンク・黄などの、さまざまな色がミックスされた花束になったとします。
みなさんならどうされますか?
おそらく、青の花を戻して赤、ピンク、黄で暖かい色合いにするか、青と黄の花を戻して赤、ピンクの同色系でコーディネートする人が多いのではないでしょうか?
もちろんそれも間違いではありませんが、視点を変えた解決策としてはグリーンを足すという方法があります。赤、青、ピンク、黄の間にグリーンの色味が入ることで色の調和がとれ、花束全体に統一感が生まれるのです。
このように通常では合わないはずの色同士をグリーンでまとめる手法は、花業界で「ミックスカラーアレンジメント」と呼ばれ、より複雑な色合わせを可能にする上級者向けのテクニックとして知られています。
見た目だけじゃない! グリーンの素晴らしい役割
グリーンが花の頭を支えてくれるので、花が水を吸収しやすくなる。
グリーンは、花の鮮度にも関わります。
花だけで作った花束と、花とグリーンを混ぜて作った花束、どちらのほうが長く楽しむことができる花束になるのでしょうか? 答えは、グリーンを混ぜて作った花束です。
花だけで作った花束の場合、花と花がくっつきあうことになります。その結果、花びら同士がお互いを傷つけあってしまい、それが変色やカビの原因となります。花と花の間にグリーンを入れることで、クッションの役割を果たしてくれるのです。
さらに、グリーンが花の間に入りクッションとなることで、花の頭を支え、花首をまっすぐに安定させて水が花先までよく通り、花の持ちが良くなります。 グリーンの種類が豊富な花屋さんなら、あえて花を入れずにグリーンだけをセレクトしてアレンジをするといった、洗練された楽しみ方もおすすめです。
いい花屋さんかどうかは 花器からもわかる!
花屋さんに行ったら、水がキレイかどうかをチェック!
さて、いい花屋さんの見分け方をもう少し極めてみたい人は、花器に注目してみましょう。
花屋さんの店内には、背の高いもの、低いもの、ガラス製のもの、陶器、プラスチック……様々な花器が並んでいますが、透明なガラスの器をチェックし、「中の水が清潔かどうか」を確認してみてください。
花にとって水は欠かせないもの、水との付き合い方を見れば、いい花屋さんかどうかが見分けられます。
漠然と花屋さんに入るとどうしていいかわからず、気後れしてすぐに出てきてしまうなんてことがあるかもしれませんが、花屋さんを見分けるコツをつかめばいくつもの花屋さんを見て回る、「花屋さん巡り」もできるようになりますよ。
せっかくならいくつも巡って、自分だけのお気に入りのお店を見つけてみませんか?
佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)
フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。17年「女性自身」(光文社)、19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。テレビ、ラジオ出演のほか伊勢丹メンズ館のディスプレイ装飾など幅広く活躍中。
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