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巣ごもり需要で業界地図にも異変(イメージ)

2020年07月27日

なぜキリンは、「巣ごもり需要」でアサヒを逆転できたのか

 新型コロナウイルスの影響でビール系飲料市場に異変が起きている。ビール大手4社の2020年1~6月(上半期)の販売量は前年同期に比べて1割減少したが、推定シェアはキリンビールがアサヒビールを11年ぶりに抜いて首位になった。

 飲食店の休業や営業時間の短縮でビールの販売が減って全体に落ち込み、他方で家庭の「巣ごもり消費」では節約志向で第3のビールが伸びた結果、アサヒが沈み、キリンが浮上した。

■業務用に強いアサヒは苦戦

 ビール大手4社が7月10日発表したビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)の上半期販売実績によると、全体の販売量に占めるシェアはビール38%(前年同期46%)に落ちた。これに対し、「第3」は49%(同41%)に伸び、2004年の登場以来、初めてビールを上回った。テレワーク(在宅勤務)の拡大など、居酒屋などのビール需要は激減し、「家飲み」が拡大したためだ。

 「第3」は350ミリリットル缶の価格で税込み127円程度とビールの218円程度より80円ほど安く、12本入りなら1000円、24本入りなら2000円近い差とあって、消費税増税などを受けた節約志向が強まる中、「第3」が売り上げを急速に伸ばした。

 こうした全体状況が、各社別のシェアに直結した。アサヒの主力といえば、ビール「スーパードライ」。これは業務用のシェアが高いため、新型コロナの直撃を受け、上半期は前年比26%減と大きく落ち込んだ。一方、キリンは「第3」の「本麒麟」は6月まで16カ月連続で販売を増やし、特に4月にリニューアルした効果で、同月だけで39%、6月は55%増やすなど、首位奪還の原動力になった。

 ビールのシェア争いはメディアに格好の話題を提供してきたが、実は今回から各新聞や雑誌の記事に「推定」「推計」の文字がつくようになった。アサヒが2020年から「販売数量」の開示を取りやめ、金額ベースの発表に切り替えたのだ。理由は「過剰なシェア争いをやめるため」(塩澤賢一社長)。消耗覚悟のシェア争いを続けて業界全体が衰退してしまわないよう、量の追求から脱却して利益重視に転換したい狙いだと、関係者は解説する。

発表切り替えの「裏事情」とは

 ただ、こうした説明を額面通り受け取る人は少ない。2019年のシェアは首位アサヒが36.9%で、2位のキリンは35.2%と、1.7ポイント差に肉薄しており、本麒麟の人気で「逆転は時間の問題」というのが業界の常識になっていた。このため、2020年2月の販売数量開示取りやめ発表には批判の声も出ていた。

 今回、アサヒは金額だけを発表したが、各新聞、雑誌が独自にシェアを推定し、維持にしたというわけだ。このうち、例えば「日経ビジネス」(7月16日電子版)は次のように説明している。

「20年上半期の業界全体のビール類の販売数量は、流通への調査などから、前年同期比で約90%とビール大手各社は推定している。この数字から、アサヒを除く3社の上半期の販売数量(各社の開示データから本誌算出)を引くと、アサヒの販売数量の推定値が導ける」

 新聞なども、同様の手法で推定したとみられ、その結果、上半期シェアは、キリン37.6%、アサヒ34.2%となったとされる。

 それはさておき、今後のビール系飲料全体の動向、各社シェアなどはどうなっていくだろうか。
崩れる?第3の優位、チューハイには弱点も...

 「第3」の好調は当面、続くとみられ、キリン以外の各社も、ここにまず力を入れる。サッポロは2月発売した「ゴールドスター」の販売目標を360万ケースから460万ケースに上積みし、サントリーは上半期20%増えた「金麦 糖質75%オフ」をさらに伸ばす考え。アサヒも3月に「アサヒ ザ・リッチ」を売り出し、目標を上回る売れ行きで、さらに力を入れる――といった具合だ。

 ただ、一本調子で「第3」が優位を保つかは微妙だ。5月以降、飲食店の営業が再開されるにつれ、ビールの売り上げは回復に向かっている。さらに、酒税法改正により10月からはビールの酒税は350ミリリットル1缶あたり77円が7円下がる一方「第3」は9.8円上がり、2026年にはビール、発泡酒、「第3」の税は同額になる。「第3」とビールとの価格差が縮まる影響がどの程度出るか、業界は注視しているが、各社のシェアではアサヒに巻き返しの余地があるということだ。

 さらに、ビール系飲料以外の存在も無視できない。増税で「第3」の価格が税込みで1缶137円程度になるのに対し、缶チューハイ1缶119円程度とされ、税金は2026年まで変わらないので、ビール系飲料に対し価格面の優位が続き、缶チューハイ市場の拡大が見込まれている。

 ビール大手各社も缶チューハイを販売しており、社内で商品の代替ができればいいということになるが、実は、缶チューハイは利益率が低く、ビールの6割、「第3」の8割という。缶チューハイ市場の増加は各社の収益を圧迫するだけに、缶チューハイの商品設計、価格戦略にも各社、知恵を絞ることになる。




引用元の記事はこちら(https://news.yahoo.co.jp/articles/dd635b121e375f09fee7273dcc5ad0367e36f4df)


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