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(No. 31)
2017/06/08/ 10:38:03投稿 (コメント投稿通知あり) |
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為替レートと電子産業の苦境 00000029 2012年12月05日 為替レートは、数値情報です。たとえば、円・ドルレートなどです。レートは為替市場で、世界中の通貨レートが日々決められます。わずかひとつの人為的な情報で、社会的にこれほど多くの影響をひとびとの生活に及ぼすものはないのではないでしょうか? 為替レートは、特定の企業や、業界の商品の競争力に大きな影響を及ぼします。しかし、それは、複雑な過程を経ます。長期的には、貿易収支と資本取引の動向に支配されますが、短期的には、さまざまな要素で決まるでしょう。 最近では、日本の電子産業の競争力が、衰え、多くの企業の苦境が、報道されています。この主な原因は、為替レートのなせるわざであるといえます(主として、ウォン安と円高の影響)。日本の自動車産業は、さまざまな条件に恵まれ、輸出が伸びました。作今の世界経済の停滞のなかで、一国の貿易での急激な自動車産業の伸びは、どこかの産業が、減退する必要があります。たまたま、電子産業の縮退となりました。自由貿易のもとでは、伸びるところはますますのび、縮むところは、ますます縮むことになります。自動車産業の突出は、電子産業のみならず、農業などさまざまの分野にひずみをもたらします。 このようなひずみにどう対処するのがよいのか、成り行き(自由貿易の徹底)にまかせるのがよいのか、では、論議が分かれます。最近では、公的機構と日本の半導体のユーザーが、半導体メーカに共同で出資をしようとか、TPP交渉に参加するかどうか、などが、取りざたされています。なにがベストであるかは、なにをどうすれば、どうなるかもわからず、ひとびとの価値観にも大きく依存し、議論は混乱してしています。少なくとも当面は、確かな見込みがなくても、自由貿易と適切な干渉のバランスで、ことが進むことになると思われます。 為替レートは、自然現象と違って、人為的なものです。人為的なものは、人間の知恵と行いで、より適切な解をみつけることができるはずです。願わくば、適切なバランスのあり方が、ITによるシミュレーションで、提示され、人々が正しく選択できるようになりたいものです。 平成24年12月 北村 拓郎 |