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2024/04/29/ 04:40:38作成
(No. 55) 2017/06/08/ 11:21:43投稿
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コトバ習得の代償 00000053 2015年05月20日

 動物としては、チンパンジーと人間は、さほど違いはない。大きな違いは、文化的な環境の違いである。なかでもコトバを話すか話さないかの違いである。人間の赤ちゃんが、コトバを話すためには、前提として、想像力を持つ必要がある。別の言い方では、概念力といってもよい。目の前の現実のほかに、どのようなことがありうるかを、あれこれと想像する習性である。この習性は、生物的な遺伝ではなく、育ち方の環境にある。脳に設定されるニューロンネットワークの配置にある。

 この幼児の育ち方が、チンパンジーと人間のその後を決定付ける。人間はコトバを話し、チンパンジーは、コトバをはなさない。チンパンジーにとっては、目の前の現実が、すべてであり、そのほかの出来事には、思いをめぐらさない。将来に対する不安感などを持たないようである。人間は、いつも将来のことについて、心配をしている。特に、死に対して不安を抱く。チンパンジーは、病気になっても、現実を受け入れ、死に対する不安のようなものを持たないようだ。

 聖書では、人間には、禁断の木の実(知恵またはコトバ)を食べた、原罪があると書かれているが、他の動物にはない知恵とコトバをえた代償として、絶えざる不安をいだくことになった。

 平成27年5月
 北村 拓郎







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