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取扱説明
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標題:経営改革・社長に必要な「参謀」

No.8 2021/04/09  著者:李 智基

 ■社長に必要な「参謀」
  昔から、名をあげ事を成した人の傍らには名補佐役ともいうべき人物がいました。
  古くは「三国志」の諸葛孔明、現代の経営者では、本田技研工業の本田宗一郎氏
  にとっての藤沢武夫氏が有名です。 
  本田氏は、物をつくるのが好きだが金勘定は苦手といって、商売は藤沢氏にすべて
  まかせていました。

  本田氏が「生涯一技術者」を貫き通せたのも、藤沢氏が技術者としての本田氏に
  絶対の信頼をおき、また、本田氏も経営を藤沢氏に安心してまかせられたからであり、
  これが本田技研工業の大きな成長要因のひとつといえます。 
  企業経営の場合、社長が気づかずに経営の方向を誤ってしまうこともあり得ます。
  また、企業における最終意思決定者は社長のみであり、施策の有効性に自信が持てない
  場合もあります。

  こういったときに、つねに経営の方向を誤らせぬように最良の方向に導いてフォロー
  することは、参謀の重要な役割のひとつです。 
  このように、優秀な参謀をもつ経営者は、経営の方向性を軌道修正するための提言を
  参謀に求めることもできますし、参謀に一定の権限を委譲することができれば、
  経営者として本来集中すべき業務により打ち込むこともできるといえます。 

  経営者は、企業を支えていくうえで多くの悩みを抱えていますが、ひとりであれこれ
  悩んでいてもあまりよい結果が得られるものではありません。
  もちろん、誰にでもその悩みを相談するわけにはいきませんが、信頼できる参謀
  となる人物がいれば、孤独になりがちな経営者の悩みを聞いてくれたり、矛盾点を
  指摘してくれたり、アイデアを冷静に評価してくれたりと、社長が次なる戦略を
  生み出すためのよき相談相手になります。

  自分の話を理解し、客観的に受けとめてくれる参謀がいることで、互いにアイデアを
  繰り返しめぐらせていくことも可能となります。
  そのようななかにこそ、よいアイデアが生まれ、ひとりで考えているよりは明らかに
  高度な思考を短時間でめぐらせることができるといえるのではないでしょうか。 
  しかしながら、優秀な参謀を確保するのはたやすいことではありません。

  優秀な経営幹部のなかにすら、参謀として経営者の片腕となり経営者があらゆる
  悩みをうち明けることができ、ともに悩み解決策を見いだしてくれるような人材は
  見あたらないかもしれません。
  ある分野で、またはある現場で、優秀な経営幹部や管理職であっても、必ずしも
  社長が頼りとする参謀に適しているとはいえません。

  参謀には、経営者と同じく、会社の将来を見通して行動をおこしていくといった
  広い視野にたった経営感覚が必要といえます。
  このような場合は、参謀となる人材を自ら育てていかなければなりません。 
  はじめは、思いつきを話した際に、それについてそれなりの感想を述べてくれる役割
  くらいしか果たせないかもしれませんが、徐々にその話し相手が次なる企業戦略を
  考えるのを助けてくれるようになり、さらに、本人自ら重要な役割を強く認識する
  ようになれば、頼りになる相談相手に成長するでしょう。

  また、必要な情報の収集から整理まで社長の意向通りの働きを期待できるようにも
  なるはずです。 
  また、根回し上手な人物なら、経営者の意向をうまい具合に幹部や然るべき人物に
  伝え、社内の調整係もやってのけることでしょう。
  そうなれば、社長は参謀を通じて社内の動きに関しても絶えず新しい情報を耳にする
  ことができます。

  こうしたところにも、参謀を育てることのもうひとつの意義があるといえます。 
  片腕となる「参謀」が育つまでには、長い時間がかかることと思いますが、
  その人材がうまく育ってくれれば、絶大な信頼を寄せることができる心強いパートナー
  となることは間違いありません。

 □「参謀」に向いている人材 
  それでは、「参謀」としてふさわしいのはどのような人物でしょうか。
  もし身近に、経営幹部など社歴も長く、社長の考えをよく理解し、会社の方向性を
  幅広い視野から提言できるような人材がいれば、問題はありません。 
  しかしながら、そういった人材が思い浮かばない経営者も多いでしょう。
  そのような場合は、社長自ら「参謀」を育てていかなければなりません。

  まずは、社内に参謀として育成できるような人材がいるかどうかを探してみましょう。
  企業経営に関心があり、何事にも前向きで明るく、固定観念のあまりない人は、
  育成するのに適した人材といえます。
  また、経営幹部をも含めた多くの人をマネジメントする必要がでてきますので、
  あたりまえのことですが人の心の痛みを理解できるような、人望の厚い人材が
  望ましいといえます。 
  さらに、人材を選ぶ際のポイントとしては、以下の点を考慮するとよいでしょう。

  1.社長の話をじっくり聞ける人 
   まず、社長の話をじっくり聞けるかどうかが、基本条件となります。
   はじめからあれこれと自分のアイデアを出してくる人材では、逆に社長の思考が
   乱されてしまう可能性があります。
   まず自分の話を最後まできちんと聞き、理解してくれる人材を求める必要が
   あります。
   またこうした人材のほうが、後々社長の意向を察しながら自然に動くことができる
   ように成長する可能性が大きいといえるでしょう。

  2.矛盾点などをきちんと指摘できる人
   次に備えていてほしい条件がこれです。
   社長は参謀に自分のアイデアをまず話し、その感想を聞きたいと考えています。
   ときには、きちんと考えがまとまる前に話をすることもあるでしょう。
   参謀はその話を冷静に聞いて、矛盾点や抜け落ちている点がないかをチェックする
   という役割を果たすことが必要になります。

   そこで、いうべきことをきちんと社長にフィードバックすることができるかどうか
   という点が重要となります。 
   また、社長としてはこうした参謀の指摘をきちんと受けとめる姿勢が大切です。
   もしも参謀がこの大事な役割を果たしてくれたときに、権威を振りかざすような
   態度で無理に黙らせたりすると、参謀は社長の顔色をうかがい、貴重な指摘を
   しなくなることもあるので注意が必要です。

  3.会社が直面した問題にどう対処すべきかを提案できる人 
   参謀を一から育てる場合、第2の条件までをきちんと満たしていれば、まずは
   それで十分であるというとらえ方もできます。
   しかしながら、徐々に経営に関する能力も高めてもらう必要がありますので、
   企業が新しい経営戦略を考えるときなどに、必要に応じて調査を行なわせ、
   その結果をもってどう対処すべきかを提案させるといったことを行なう必要が
   あります。
   つまり、経営幹部と同等の「調査」や「分析」能力をその人材に求めていくのです。

 □「参謀」の育て方
  次に参謀の育て方について考えてみたいと思います。
  どのように育てるか、その究極の目標は、参謀に社長の「物の見方」「考え方」を
  共有させるということになります。 
  その手順として、「これは」と思う人材を思いきって直属の配下につけることを
  検討しましょう。

  人材の選考にあたっては、まだ役職に就いていないような若い(経営者の思うように
  どのようにでも教育できる)人材の登用を検討してみるのもよいかもしれません。
  そして、つねにその人材が、社長の仕事を身近に見ることのできるようにしておく
  ことが大切です。
  そうすることにより、その人材は、社長が今何をしているか、何を考えているか
  について関心をもたざるを得ない状況になります。

  また、社長のほうもつねにその人材のことが目に入りますから、逐一きめ細かく
  指導をすることができます。
  このような指導なしに参謀を育てることは困難ですから、参謀となる人材の配置が
  重要なポイントであるといえます。 
  直属の配下につけた人材には、はじめにテーマを与えながら、調査や分析を行なわせ、
  経営に必要となる知識を修得させるとよいでしょう。 

  なお、参謀の育成の過程では以下の点を考慮しつつ、段階に応じて社長自身の
  生き様をみせたり、経営のプロとして必要となる能力開発に取り組ませる必要が
  あります。

  1.経営者の分身として思考させる 
   会社の存続・発展を考え、日常的に高度な経営判断と意思決定を行なわなければ
   ならない社長を補佐するためには、社長の経営に対する考え方や社長の感情を
   十分理解したうえで社長の立場から物事を理解させることが必要です。

  2.経営者に感情移入させる
   まず、社長に対して徹底的に感情移入させることです。
   たとえば、社長が無理な指示を出した場合、なぜ社長がそのような無理な指示を
   出さざるを得なかったのかその背景を理解させる必要があります。
   必ずしも共感してもらえるとはかぎりませんが、社長の心情を理解させることが
   大切です。
   そのためには、社長の平素のものの考え方や価値観を理解させる必要があります
   ので、社長がこれまでどのような人生を歩んできたかなどの話をする機会も
   もちたいものです。

  3.経営のプロとしての知識を習得させる 
   経営者とともに企業経営に携わっていく者は、経営のプロとしての知識と見識を
   もつことが望まれます。
   これには、「財務管理」「販売管理」「人事・労務管理」「マーケティング」
   といった経営の基本をマスターさせると同時に、高度な見識と経営に対する
   確固たる信念を保有させる必要があります。

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   (この記事はビジネスソルーション株式会社と提携・転載しています。)



       

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